F1ピットストップBACK NUMBER
フェルスタッペン「関係はより強固になった」F1を撤退したホンダがHRCを通じて続けるレッドブルへの貢献とは
posted2022/04/17 11:00
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images / Red Bull Content Pool
第3戦オーストラリアGPは、フェラーリのシャルル・ルクレールが危なげない走りでポール・トゥ・フィニッシュ。今季2勝目を飾って、チャンピオンシップリーダーの座を守った。
一方、前戦サウジアラビアGPで王者になってから初の勝利を手にしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、レース中盤にマシントラブルによりリタイアした。
リタイアしたフェルスタッペンがコクピットを降りた後、マシン後部の消火活動をコースマーシャルに促していたため、リタイアした原因がパワーユニット(PU)のトラブルのように映ったが、クリスチャン・ホーナー代表は、PU本体以外の不具合に起因して出火していた可能性が高いとの見方を示した。
「まだマシンがガレージに帰ってきていないので、何が起きたのか特定はできていないが、現時点ではPU本体以外の部分から燃料が漏れたのだと思われる。炎に包まれたPUは日本に送り返され、今後使用可能かどうかの検証が行われるが、おそらく問題はないと考えている」
レッドブルは開幕戦でも2台そろってPUが止まり、リタイアを余儀なくされていた。PUが止まってリタイアすれば、当然PUに問題があったと思われがちだが、実際にはPU以外の部分に問題が生じてストップすることが少なくない。開幕戦のリタイアも2台とも燃料システムに不具合が生じ、燃料タンクからPUへ燃料が供給されなかったために停止したのだった。この燃料システムの不具合は、もちろんPU本体ではなく車体側に起因するものだ。
ホンダに関する海外メディアの誤解
それでもレース後、海外のメディアによるホンダに対するネガティブなコメントを耳にしてきた。そしてリタイアの理由がPUのトラブルだという勘違いにとどまらず、今シーズンのホンダのF1への関わり方に対する大きな誤解もあった。曰く、レッドブルにトラブルが多発しているのは、ホンダがF1参戦を終了し、サポート体制を縮小したからではないかというものだ。