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ルクレールvs.フェルスタッペン、技と敬意が至高の闘いを可能にする。
posted2022/04/21 07:00
text by
今宮雅子Masako Imamiya
photograph by
Getty Images
ゴール後のウィニングラン。勝者マックス・フェルスタッペンを称えてシャルル・ルクレールがサムアップを送ってみせたとき、サーキットはサンクチュアリになった。稀有な才能を備えた者だけに許された、熾烈で、濃密で、フェアな闘い。勝者も敗者も、レースする純粋な喜びを享受していた。
開幕戦バーレーンGPではフェラーリのルクレールが、第2戦サウジアラビアGPではレッドブルのフェルスタッペンが勝利した。2つのレースに共通するのは、ふたりがしのぎを削った熾烈な首位争い。時速300kmを超える速度で接近戦を繰り広げながら、戦略を練り、心理を読み合う。一切のミスを許容しないバトルは、ドライバーの腕と相互の敬意があってこそ成立する。2戦とも、高速のデュエルは一瞬ではなく数周の間続いた。