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《現地最新》冷静すぎる鈴木誠也27歳「打っても3割」「審判と勝負したらダメ」 イチロー、松井秀喜にも通じる“打者の本能”とは? 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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posted2022/04/03 11:03

《現地最新》冷静すぎる鈴木誠也27歳「打っても3割」「審判と勝負したらダメ」 イチロー、松井秀喜にも通じる“打者の本能”とは?<Number Web> photograph by Getty Images

オープン戦では初本塁打も飛び出したカブスの鈴木誠也(27)。冷静な“野球観”を語った

 ストライクゾーンにしてもそうだった。決して追いかけない。米国のゾーンを探そうともしない。自分を信じることができる選手。新たな環境で生きていく中で重要なメンタリティーだ。

「結局、自分の打つゾーンは決まっているので。そこから外れてストライクなら仕方ない。ボールだったらラッキー。自分が打てるという自分なりのゾーンがあるので。そこに入って来た球は仕留めないといけない。ここ(審判)と勝負するとダメだと思う。こっち(投手)と勝負しないと」

 その中で、彼は変化をも恐れない。それを証明したのが初本塁打となった。オープン戦1打席目から本塁打の直前の球までトータルで42球、そのすべてで左足を上げ、間合いをはかった。だが、43球目、はじめて彼はノーステップにした。そして、その1球を見事に仕留めたのだった。

「タイミングがあっていないのに同じことをずっとやっていても多分僕は無理だと思っているので。タイミングの合う打ち方をやって、そっちの方が失敗しても後悔なく終われると思う」

1年目の最重要テーマは“タイミング”

 マリナーズで昨季まで3年連続開幕投手を務めた通算51勝左腕マルコ・ゴンザレスの速球を捉えた打球は「こすっていた」とは言うものの中堅バックスクリーン左まで飛んでいった。

「日本にいたときも外国人の投手に関しては、そういう打ち方(ノーステップ)を結構やっていたので。足を上げて打ちたいんですけどね。そっちの方が自分のタイミングなので。でも、結果を残すためにはいろいろやらないといけない。試行錯誤という感じです」

 メジャー1年目の日本人打者にとって、タイミングは最重要テーマだ。01年、マリナーズに移籍したイチローさんは振り子打法の右足の上げ幅を半分以下にした。18年にエンゼルスに移った大谷翔平は右足を上げるのをやめノーステップに変更した。すべては米国の投手の短い間合いから投げ込まれる150キロ超のムービングボールに対応するため。日本人打者には、打撃フォームにおいて、省く作業が強いられる中で自分のタイミングを探し出すことが求められる。だが、この部分も鈴木は日本時代から臨機応変に取り組んできた。メジャーで打席数を重ね、相手投手の特徴を理解すれば、大きな問題にはならないと感じる部分である。

【次ページ】 鈴木誠也に感じる「オールドスクール」な雰囲気

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