鈴木誠也に感じる「オールドスクール」な雰囲気

　昨今、日米の野球はデータ全盛であることは言うまでもないが、打者は試合中でさえビデオルームに向かい、投手との対峙を繰り返し映像でチェックしている。時代の流れとも感じるが、鈴木は違うという。

「もちろんデータも大事ですけど、人間がやることなんで。打席に立った感覚と本能みたいなものは大事にしていきたいと思っている。あんまり考えすぎてもおかしくなってしまいそうなので、自分の考えを大切に持ってやっていきたい」

　試合中はベンチから戦況を読み、相手投手の配球の変化を読み解く。これはイチローさんも松井秀喜さんも選手として大事にしていた部分だ。そんな「オールドスクール」の一面も持つ27歳の若者には親近感さえ感じてしまう。

オープン戦にて、チームメイトとハイタッチを交わす鈴木　©Getty Images

　新たな挑戦はまだ始まったばかり。山あり谷あり、苦労の連続はこれからが本番だ。戦いを前にして、彼はこんなことを言った。

「試合してるな、相手と勝負しているな、というのは楽しい。野球をやっていることがすごく楽しくて、毎日毎日、課題が出るということが自分の中では嬉しい。毎日、明日になって、こういう練習がしたいなって、自分で考えながらできている。すごくいい日々を送れているなと思っています」

　2022年。鈴木誠也の楽しみな一年が始まろうとしている。

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