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高松宮記念はレシステンシアが“一枚上”だが…”競馬を理解”したメイケイエールなど、逆転の可能性がある馬は“3頭”いる 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2022/03/26 17:00

高松宮記念はレシステンシアが“一枚上”だが…”競馬を理解”したメイケイエールなど、逆転の可能性がある馬は“3頭”いる<Number Web> photograph by Photostud

昨年のチューリップ賞勝利時のメイケイエール

メイケイエールは一気に“逆転”の可能性を秘めている

 スピードの絶対値では、メイケイエール(牝4歳、父ミッキーアイル、栗東・武英智厩舎)も負けていない。

 一昨年、デビューから小倉2歳ステークス、ファンタジーステークスと3連勝し、阪神ジュベナイルフィリーズではソダシからコンマ2秒差の4着と、早くから世代トップクラスの力を見せてきた。しかし、3歳初戦のチューリップ賞では凄まじい勢いで引っ掛かり、武豊が上体を起こして「ロデオ」とまで言われた抑え方で何とか道中を乗り切った。それでも1着同着となったのだから、能力は高い。

 武が負傷したため横山典弘に乗り替わった桜花賞でも猛烈に掛かり、他馬を押し退けるようにして先頭に立ち、直線で失速し最下位に終わった。

 陣営は懸命に立て直し、普段の調教法や馬具を工夫し、池添謙一を新たな鞍上に迎えたスプリンターズステークスでは掛かりながらも4着。今年初戦のシルクロードステークスでは好位で我慢して抜け出すという、大人びたレースでチューリップ賞以来となる勝利をおさめた。

 普段はおとなしい馬だというから、気が悪いわけではなく、ただ一生懸命に走りすぎてしまうのだろう。騎手からゴーサインが出るまでは、ほかの馬を追い越さず一緒に走るのだということを、前走あたりから理解し、受け入れはじめたようだ。

 池添は、スイープトウショウやオルフェーヴルなど、気難しいスーパーホースを手の内に入れ、結果を出してきた。この馬に関しても、厩舎スタッフとともに暴走癖の矯正に取り組んできた。スプリンターズステークスで2着だったレシステンシアにつけられた2馬身半ほどの差は、もっと詰まるか、逆転する可能性もありそうだ。

【次ページ】 一発がある“気になる2頭”は…

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