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井上尚弥でも「満員にならない」ナゼ? 米識者が本音で語った“4年ぶりラスベガス決戦”「もう少しレベルの高い相手と…」「9月のMJ戦の後は…」
posted2025/05/03 17:04
ラスベガスで公開イベントに出席した井上尚弥
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杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Creative 2/AFLO
“モンスター”は久々の米リング登場でどんな戦いを見せてくれるのか。現地時間5月4日、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は、ラスベガスのT-モバイルアリーナでラモン・カルデナス(アメリカ)の挑戦を受ける。井上にとって2021年以来のベガスリング登場だけに、米国内での注目度も高い。
メキシコ系アメリカ人の挑戦者は危険な選手と言えるのか? 約2万人を収容する巨大会場にどれだけの観客を動員するのか? 興味深いタイトル戦を前に、米国で最も権威のある専門誌であるリングマガジンのダグラス・フィッシャー編集長に試合の見どころを語ってもらった(以下、フィッシャー氏の一人語り)。
「もう少しレベルの高い相手と…」
イノウエは私が大好きなボクサーであり、彼がトレーニングするのを見ても飽きることはないでしょう。5〜10分くらい、サンドバッグを叩くのを見るだけでも価値があると思うくらい。彼の才能とテクニックをそれほど高く評価しています。
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ただ、そんな私から見ても、今回の対戦相手は少し残念でした。アメリカでの久々のリング登場の相手としては、もう少しレベルの高いボクサーと対戦することを期待していたからです。
カルデナスの26勝1敗という戦績はまったく悪くありません。堅実なプロフェッショナルという言葉がぴったりのボクサー。ジョエル・ディアスという本格的なトレーナーの指導を受けているのだから、間違いなく戦えるコンディションを作ってくるはずです。
しかし、たとえそうだとしても、イノウエのレベルには到底及ばないと思います。
一時、有力な対戦相手候補として浮上したアラン・ピカソはまだ発展途上の若手選手であり、リングマガジンの階級ランキングでトップ10に入るだけの評価を受けていました。アザト・ホバニシアン戦での勝利という大きな星も挙げていました。それらの観点から、今回はピカソの方が少し質の高い挑戦者だったのではないかと思っています。


