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高松宮記念はレシステンシアが“一枚上”だが…”競馬を理解”したメイケイエールなど、逆転の可能性がある馬は“3頭”いる
posted2022/03/26 17:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
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Photostud
スプリントGIで2着3回の2歳女王もいれば、「暴走癖」が修正されつつある超速牝馬もいる。上半期のスプリント王を決める第52回高松宮記念(3月27日、中京芝1200m、4歳以上GI)には、個性豊かな面々が揃った。
昨年の覇者ダノンスマッシュが引退し、スプリンターズステークスを完勝したピクシーナイトが12月の香港スプリントで他馬の落馬に巻き込まれて骨折。長期休養を余儀なくされたのは残念だが、実力の拮抗した、好メンバーがエントリーしてきた。
実績からして本命視されるのは、昨年の高松宮記念、スプリンターズステークス、そして香港スプリントの3戦すべてで2着に惜敗したレシステンシア(牝5歳、父ダイワメジャー、栗東・松下武士厩舎)だろう。
3年前、圧倒的なスピードを武器に、3連勝で阪神ジュベナイルフィリーズを制覇。前半800m通過45秒5という超ハイペースで逃げて2歳コースレコードで走り切り、2歳女王となった。
落馬事故もあった前走で見せた“気持ちの強さ”
しかし、3歳初戦のチューリップ賞は3着、桜花賞とNHKマイルカップは2着と勝ち切れず、マイルチャンピオンシップでは8着に沈んだ。4歳になった昨年、阪神芝1400mの阪急杯を2馬身差で完勝し、前述したスプリントGI3戦のほか、セントウルステークスではピクシーナイトを抑えて勝つなど、スプリンターとしてもうひと花咲かせようとしている。
特に、前走の香港スプリントでは、落馬事故のあおりを受けて進路を修正しながら、最後まで伸び切る気持ちの強さを見せた。馬の視野は350度ほどあるので、レシステンシアも、他馬が転倒して騎手が投げ出されたシーンをハッキリ見ていたはずだが、きちんと自分の仕事をやり切った。
今回がテン乗りとなる横山武史は、16日に栗東トレセンで1週前追い切りに騎乗して感触を確かめた。「特に癖はなく、乗りやすかった」とコメントしている。
馬主はキャロットファーム。翌週の大阪杯に出走するエフフォーリアと同じ勝負服で、若武者がさっそうと勝ち名乗りを挙げるシーンは、十分あり得る。