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還暦後に年間100勝… 競馬界のレジェンド・的場文男65歳が明かす“不滅の大記録”更新の裏側「7000勝でスイッチが入った」
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![島田明宏](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/d/c/-/img_dc43f384ba4fc9b5cf3d05b268d3384f15734.jpg)
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKeiji Ishikawa
posted2022/02/27 11:00
![還暦後に年間100勝… 競馬界のレジェンド・的場文男65歳が明かす“不滅の大記録”更新の裏側「7000勝でスイッチが入った」<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/f/d/700/img_fdd069ce5acb145e93271e0f29c6d85a254337.jpg)
65歳の現役ジョッキー・的場文男が、50年目に迫ろうかという波乱万丈の騎手生活を振り返った
「大井の帝王」にとって最も印象深いレースは?
数多く勝ったのみならず、帝王賞、東京大賞典、川崎記念、ダイオライト記念、かしわ記念といった数々のビッグレースを制し、大舞台での強さも見せつけた。
「帝王賞は、ハシルショウグン、コンサートボーイ、ボンネビルレコードで、3回勝ってるんだよ。これは自分でもよくやったと思うね。交流GIには中央の強豪が出てくるから、地方の馬が勝つのは大変なんだ。それでもコンサートボーイのときは武豊騎手が乗ったバトルラインという強い馬を負かしたし、ボンネビルレコードでは単勝1.5倍のブルーコンコルドを負かしているからね」
1997年4月から、地方と中央の統一グレード制(交流重賞の格付け)が実施されるようになった。それにより、的場にとって2度目の帝王賞制覇となった1997年のコンサートボーイによる勝利が、彼にとっての交流GI初制覇となった。的場が「最も記憶に残っているレース」として挙げる一戦だ。
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46歳になった2002年には363勝を挙げ、初めて地方競馬全国リーディングのタイトルを獲得。335勝を挙げた翌年もその座を守った。そして、2004年、3年連続の全国リーディングこそ逃すも、前述したように、大井での20年連続、21回目となるリーディングを勝ち取った。
2005年春、レース中、落馬した前の馬に蹴られて顎を複雑骨折し、身体障害者7級の認定を受けるほどの重傷を負うも、翌2006年には地方競馬通算5000勝を達成。このとき50歳。
翌年、2007年にはパドックで騎乗馬に蹴られて左脾臓と左腎臓損傷の大怪我をするも、2010年には地方競馬通算6000勝を達成。
そして61歳になる2017年、地方競馬通算7000勝に到達。佐々木竹見が2001年に記録した7151勝という地方競馬通算最多勝記録が見えてきた。
「5000勝したら、次は6000勝。その次は7000勝と、ずっと目標を持ちつづけることができたのがよかったね。で、7000勝してからスイッチが入った。よし、ここまで来たら、竹見さんの記録を抜いてやろう、と」
自らの勝利数をモチベーションとし、2018年8月12日、ついに地方競馬通算最多勝の新記録を樹立した。
時は前後するが、2014年には地方競馬最年長重賞勝利記録を更新し、62歳になった2018年まで毎年自身の記録を伸ばした。さらに、2021年には地方競馬最年長騎乗記録と最年長勝利記録を更新し、それらも今、自身で更新しつづけている。<後編へ続く>
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