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大谷翔平とエンゼルスをプレーオフで応援できる可能性も高い? 水面下で進む「MLBプレーオフ改革案」を詳しく分析してみた 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2022/02/27 11:03

大谷翔平とエンゼルスをプレーオフで応援できる可能性も高い? 水面下で進む「MLBプレーオフ改革案」を詳しく分析してみた<Number Web> photograph by Getty Images

今季はプレーオフ進出を目指すエンゼルスと大谷翔平。改革案による影響とは?

NFL、NBAを見てみると…

 公式戦が17試合しかないNFLと、公式戦を162試合も開催するMLBを同じように考えるのはナンセンスだろうが、公式戦82試合のNBA(バスケットボール)は全30チームの半数を超える16チームがプレーオフ進出、同じく公式戦82試合のNHL(アイスホッケー)もやはり、16チームがプレーオフ出場権を得るルールになっていて、その時期になるとテレビやネットでも大々的に宣伝されるのが普通だ。

 過日、シカゴのスポーツ・ラジオ局で、こんなことが語られていた。

「大学バスケの公式戦を見ない人が、春になったら全米王者を決めるトーナメントに熱狂するのと同じで、普段の試合(公式戦)を見ないようなカジュアルなスポーツ・ファンでも、優勝を身近に感じられるプレーオフなら見ようという気になるものだ」

 米国に住む自分の周りにも、「NFLの公式戦はあまり熱心に見ないけど、スーパーボウルだけは見る」という人は少なくないし、「全米テニスの1回戦や2回戦は見ないけど、準決勝や決勝は必ず見る」という人たちがいる。特定のチームを応援する層と、気楽にスポーツを観戦する層はやはり違っていて、後者を惹きつけるのが「プレーオフ」だとするなら、それはファン開拓のためには欠かせない。

プレーオフ進出を狙うエンゼルスは…

 MLBのプレーオフ拡張案が最初に報道された当時、「MLBは公式戦の数を150試合程度に減らしてでも、14チームによるプレーオフ形式を定着させたい」とも報じられていた。

 だから、たとえ今回の労使協定で選手組合案の12チームに落ち着いたとしても、数年後の労使協定で再び「14チーム形式」が論議される可能性もある。そして、それは「選手年俸総額」や「若手選手の待遇改善」に無縁な我々にとっての数少ない、注目すべき話題でもある。

 プレーオフ進出チームが増えるというのは、日本人選手やその所属チームだけではなく、すべての選手たちにとっての「朗報」である。

 昨2021年、ア・リーグ勝率10位(77勝85敗 勝率.475)のエンゼルスにとって、プレーオフ進出のためにア・リーグ勝率6位以上なのか、それとも7位以上に食い込めばいいのかはかなり重要な問題である。「朗報」をきちんとした「結果」に繋げるため、新労使協定締結の暁には、今以上の努力をしていただきたいところである――。

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