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実は“冬ではなく夏の人気競技”だった…五輪とフィギュアスケートの「意外と知らない歴史」とは?
posted2022/02/03 06:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Getty Images
冬季オリンピックの数ある競技の中でも、いつの大会も高い関心を呼び起こし、花形競技と言うことができるのがフィギュアスケートだ。ただ、オリンピックとのかかわりで言うと、意外な形でスタートを切っている。もともとは夏のオリンピックで実施されていたことだ。最初は1908年のロンドン五輪だった。
続く1912年のストックホルムでは実施されなかったが、1920年のアントワープ五輪で再び実施された(1916年大会は第一次世界大戦で中止)。このときはアイスホッケーも実施されている。
その背景にはいくつかの要素がある。
なぜフィギュアスケートは「夏季五輪」だったのか?
夏季オリンピックと冬季オリンピックとでは始まった時期が異なり、冬季は1924年のシャモニー・モンブランからになる。このときより、フィギュアスケートは冬季オリンピックの競技として行なわれることになった。
すると、次の疑問が浮かぶ。冬季オリンピックそのものがなかったとはいえ、なぜフィギュアスケートが夏季オリンピックで実施されたのか、と。
さまざまな資料からうかがえるのは、当時もフィギュアスケートが人気の高い競技であったことだ。