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「筋トレ設備はダンベル1つも置かない」パイレーツ筒香が“私費2億円アカデミー”で“育てたい子供”とは《理想は秋山幸二のバク宙?》 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2022/01/24 11:01

「筋トレ設備はダンベル1つも置かない」パイレーツ筒香が“私費2億円アカデミー”で“育てたい子供”とは《理想は秋山幸二のバク宙?》<Number Web> photograph by Go estudio

「TSUTSUGO SPORTS ACADEMY」の「完成前報告会」でスピーチした筒香。私費2億円をかけて自らの理想を追求する

「自分の身体を自由に扱える」運動能力の高い子供を育てる

 もちろん子供たちにはそれぞれの個性がある。身体の大きさから関節の柔らかさ、筋肉のつき方など、それぞれの身体には個人差がある。しかし、だからこそそういう個人差の中でも、子供たちが持っている自分の運動能力を、しっかりと表現できるような指導をすることが大事になってくるのだ。

 いうならば野球がうまくなることもそうだが、むしろ「自分の身体を自由に扱える」運動能力の高い子供を育てることが、アカデミーの1つの目標となる訳である。

 筒香と共にアカデミーの運営と子供たちの指導に携わる実兄の筒香裕史さんはこう説明する。

1986年の日本シリーズで秋山幸二が見せた「バク宙」

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「ヨーロッパのサッカーを観ていると、選手がゴールを決めた後にバク転やバク宙をしたり、さまざまなパフォーマンスをしますよね。彼らはもともとそれだけ身体を自在に扱える運動能力があったのか、それともサッカーをやる中で運動能力が鍛えられて、ああいうアクロバティックな動きをできるようになったのか。でも、きちっと運動能力を高めていった子供が、スポーツ競技に取り組んだら、ああいうことができる選手が日本にも一杯、生まれる。そうすれば競技でも、もっと良い結果につながるかもしれないですよね」

 プロ野球の世界にも元西武の外野手でソフトバンクの監督も務めた秋山幸二さんは、子供の頃から野球だけでなく他の競技をやらせてもトップクラスで、運動能力の高さが有名だった。ドラフト外で獲得した当時の西武・根本陸夫監督が「あいつが野球をやっていなかったら、オリンピックの十種競技の選手になれた」と絶賛していたのは有名な話だ。もちろん野球選手として黄金時代の西武のクリーンアップを支えたが、秋山さんがその運動能力の高さを見せつけたのが、1986年に史上初の第8戦までもつれ込んだ日本シリーズ。その第8戦で本塁打を放つと、地面に手をつかずに宙返りする「バク宙」でホームインしたのは、その後も語り草となったパフォーマンスだった。

【次ページ】 子供たちが楽しく、そして未来につなげられるような施設に

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