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「筋トレ設備はダンベル1つも置かない」パイレーツ筒香が“私費2億円アカデミー”で“育てたい子供”とは《理想は秋山幸二のバク宙?》 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2022/01/24 11:01

「筋トレ設備はダンベル1つも置かない」パイレーツ筒香が“私費2億円アカデミー”で“育てたい子供”とは《理想は秋山幸二のバク宙?》<Number Web> photograph by Go estudio

「TSUTSUGO SPORTS ACADEMY」の「完成前報告会」でスピーチした筒香。私費2億円をかけて自らの理想を追求する

「気づきのセンサーが鈍くなり、失われていくように感じました」

「自分のバッティングが少し変化した段階ではなかなか気づけずに、めちゃくちゃ悪くなってから気づく選手が多いと思います。でも微妙な変化の段階で気づけるようになれば、調子の波も少なくて済む。それを感じ取るのがセンサーなんです。でも懸命に筋力アップをしていると、そういう気づきのセンサーが鈍くなり、失われていくように感じました」

 だからアカデミーで作る小体育館も、単純に体力を向上させたり、身体を大きくすることを目的にするのではなく、もっと違うところを目指した施設になる。

 それではどういう施設になるのか?

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 筒香のこの日の言葉にヒントはあった。

「僕が子供の頃から取り組んできた中で最も大事にしていることがあります。それは自分の身体を自由に扱うことです」

メジャーリーガーとなったいまでも必ず行っている体操

 そのためにアカデミーでも、筒香が中学生時代から指導を受ける矢田接骨院の矢田修一先生が考案した体操を取り入れる予定だ。

 この体操は両手での逆立ちに頭も支点に加えて三点倒立、座って両足を前に伸ばした状態で前に進む“お尻歩き”やブリッジした状態から身体を左右に展開する運動など、さまざまなバリエーションの運動がある。

 筒香はメジャーリーガーとなったいまでも、目覚めた直後や試合前、練習前には必ず時間をかけてこの体操を行っている。いうならば身体の隅々までを目覚めさせて、自分がやろうとしている動き、脳からの指令をしっかり筋肉や関節が受け止めて動けるようにするための準備だ。

 そういう身体の仕組みを、アカデミーでは子供の頃から作り上げるような指導をする。その訓練がしっかりできていれば、結局は身体が大きくなっていっても、その身体を持て余すことなく、自分のポテンシャル、可能性を引き出していく力となるはずだという考えがあるからだ。

【次ページ】 「自分の身体を自由に扱える」運動能力の高い子供を育てる

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