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ドラフト同期が明かす“クソガキだけど可愛い”大谷翔平の素顔「最初はコンビニ行くのも一緒に」「彼女おるん?って聞いたら…」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2022/01/13 11:45
鎌ヶ谷球場でランニングをする大谷
「“塁大が本気で何かをしてみて、その先で協力できることは絶対にするから”って。来い、ともダメだ、ともはっきりは言わなかったけれど、一人で挑戦させてくれ、という決意にもとれるし、お前はもっとできるぞ、という激励にも聞こえる。色んなことが込められている言葉だと思って……」
「彼女おるん? って聞いたら……」
現在は広島市の繁華街・流川でバーを経営する傍ら、野球教室で小中学生を指導している。今秋には子どもも生まれる。
「レベルは段違いだけど、翔平には負けられない、他のことで一番になって、ずっと対等な友達でいたいと思っています。いつかお互いの子どもも一緒に家族同士の付き合いもしてみたい。彼女おるん? って聞いたら、お前にだけは教えん、って言われたけど(笑)」
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屋宜はヤクルトへのトレード移籍を経て、'19年限りで現役引退。現在は阪神の打撃投手としてチームを支える。
「引退したとき、お疲れさまでした、ってメールをアメリカから送ってくれたんですよ。嬉しかったな。翔平が頑張っているから、自分も裏方として選手のために頑張っていきたいという気持ちになります」
新垣は'18年に現役引退し、現在は古巣の東芝で投手コーチをつとめる。若い選手からは大谷について質問を受けることも多い。
「技術面も、練習方法も伝えますし、翔平がやっていた81マスの目標達成シートも選手にやってもらっているんです。でも、一番伝えているのは、練習に取り組む姿勢です。大谷翔平は全てのことを野球のためにやっている。だから凄いんだ、って」
全然動けないなか、病室で大谷がしていたこと
夢舞台で活躍する姿をテレビで見ると、あの日の顔を思い出す。それは'17年10月、大谷が右足首を手術した直後のことだ。
「病室にお見舞いに行ったんです。足を固定して全然動けないなかで、翔平はずっとテレビでメジャーリーグの試合を見ていた。あの時の表情が心に残っていて……。色々な困難を乗り越えていま、あの時のテレビの中の世界で活躍しているんですよね」
'19年に鍵谷がトレード移籍し、2012年のドラフトで入団した7人は全員、日本ハムから去った。現在巨人のリリーフとして活躍する鍵谷は言う。
「プロで野球を続けているのは、僕と翔平だけになりました。全く違うステージですが活躍は刺激になりますし、しっかりやらなきゃいけない、という思いがあります」
共に過ごした時間は5年。気のいい仲間たちは大谷を支え、同時に漫画でも描けない二刀流伝説の目撃者となった。7人だけが名乗れる「同期入団」の幸福と絆は、今もお互いのなかに生きている。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。