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ドラフト同期が明かす“クソガキだけど可愛い”大谷翔平の素顔「最初はコンビニ行くのも一緒に」「彼女おるん?って聞いたら…」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2022/01/13 11:45
鎌ヶ谷球場でランニングをする大谷
「球場に行く途中にコンビニに寄るんですが翔平が店に入ると目立つのでよくアイスを買ってあげていました。19歳の誕生日の日は、お祝いにケーキを買ってあげたんですが、『僕、ケーキはいらないです』って。そういうところは全く遠慮ないですよ」
いたずらをしても、みんなに好かれる
最年少で一軍に定着しても、大谷はあっという間に年上の選手に溶け込んだ。規格外の実力の一方で、飾らない素顔が大いに愛された。9歳上の新垣は笑う。
「仲良くなってきてからは、甲高い声で“カキーー!” って呼んできたり、突然指で胸を突くちょっかいを出してきたり。どんどん生意気になってきましたね。クソガキだけど本当に可愛い存在です」
心優しき兄貴分の鍵谷もうなずく。
「その通り、クソガキです。愛情を込めて。いたずらをしても、みんなに好かれる」
一方、物静かな屋宜は、6学年下の大谷の気遣いを感じたことがある。慣れない一軍昇格に緊張していると、突然「昼飯行きましょう」と声をかけられた。
「翔平の知っている札幌の店に寿司を食べにいきました。気持ちを和らげようとしてくれたんですかね。でも自分がおごりましたよ、年上なんで。年俸の差はだいぶあったんですけどね(笑)」
「億を稼いでも普通の後輩みたいな感じ」
大谷はすぐに「エース兼主砲」に成長し、入団4年で年俸は2億円に達した。同期と食事することは度々あったが、“お財布係”は決まって年上の選手たちだった。
「ご馳走してもらったことはないです。カキさんの奢りなら行きますよ~! って。億を稼いでもそこは普通の後輩みたいな感じ。僕出しますよ、なんて言われたら、それはそれでちょっと(笑)。そういうのも翔平のいいところですよね」
振り返る新垣は何だか嬉しそうだ。
'17年、大谷はメジャー挑戦を決めた。花巻東高時代からの夢を叶えた。
同時期に、宇佐美は日本ハムから戦力外通告を受け、現役引退を決意した。同い年のスーパースターと一緒にアメリカに行きたい。マネージャーでも何でもやらせてほしいと相談したこともあったが、大谷から届いたLINEで思いとどまったという。