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ドラフト同期が明かす“クソガキだけど可愛い”大谷翔平の素顔「最初はコンビニ行くのも一緒に」「彼女おるん?って聞いたら…」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2022/01/13 11:45
鎌ヶ谷球場でランニングをする大谷
翔平のおススメで一緒に見たのは『しあわせの隠れ場所』
鎌ケ谷には連日、大勢のファンと報道陣が押しかけた。球場に隣接する「勇翔寮」の玄関の前には始終カメラが待ち構えていたが、寮の中の生活は実にのどかだった。
広島工高から4位指名で入団した宇佐美塁大は、すっかり仲良くなった同い年の大谷とプライベートの時間を共にした。
「よく僕の部屋に来て、映画を見よったんです。翔平のおススメで一緒に見たのは『しあわせの隠れ場所』っていうアメフトの映画。あれは良かったなぁ。邦画も見ましたよ。『GOEMON』だったか。その後、翔平は映画の中のセリフをずっと言ってきた。もうええって! って言うくらい。驚いたのは映画を見るとき、部屋からお菓子を持ってきたと思ったら、アーモンドの大きな袋だったこと。もちろん無糖無塩です。奥歯で食えよ、って。奥歯で噛んで縦に割るのがあいつ流みたい。野球は全然教えてくれんのに、アーモンドの食い方は教えてもらいました」
野球以外も、本当に負けず嫌い
明るい性格で同期の盛り上げ役だった新垣も、大谷の部屋を何度か訪ねた。
「クラッシュ・ロワイヤルっていう携帯ゲームを一緒にやりました。最初は翔平が強かったんですけど、後から始めた僕の方が強くなった。僕、将棋とか好きなんで頭使うゲームは得意なんです。翔平は負けると、もう1回! って。今のはナシでしょ、電波が悪かった! とか色々理由をつけて。野球以外も、本当に負けず嫌いでしたね」
3位指名の鍵谷陽平は、大谷と2人だけ、入団1年目から開幕一軍スタートを勝ち取った。北海道生まれで中大法学部出身の右腕は、栗山監督から「翔平の私生活のことも頼む」とサポート役を依頼されていた。
「最初は礼儀正しくていい子だったので(笑)、助けてあげたいなという思いが強かったです。僕は東京も札幌も経験していましたが、翔平は岩手で育って街にも簡単に出られる状況じゃなかった。最初はコンビニに行くのも一緒についていきましたし、息抜きでたまにご飯を食べに出る時は一緒に行って街のことを教えたりしました」
一軍の試合で札幌の合宿所から札幌ドームに行くときは、鍵谷と同学年である中島卓也の車に大谷と同乗し、3人で約30分の道中を楽しんだ。