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「リーグワン」から「世界」へ…“2mロック”ディアンズ・ワーナー(19)と“高卒プロの先駆け”福井翔大(22)の現在地 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byNobuhiko Otomo

posted2022/01/07 17:01

「リーグワン」から「世界」へ…“2mロック”ディアンズ・ワーナー(19)と“高卒プロの先駆け”福井翔大(22)の現在地<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

日本代表にも名を連ねるワーナー・ディアンズと福井翔大。若き才能がリーグワンでどんな成長を見せるか注目したい

 ハーフタイムで退いたワーナーと入れ替わる形で、ワイルドナイツ側のピッチに入ったのが福井翔大だった。

 東福岡高で高校日本代表の主将に選ばれた福井は、多くの選手が大学へ進学する中、高卒でシニアレベルのワイルドナイツに飛び込んだ。ワーナーがブレイブルーパス入りする3年前、高卒トップリーガーの先駆けだった。

 福井はルーキーシーズン、ベン・ガンターに次ぐ年少歴代2位となるトップリーグ出場を果たし、年々着実にプレー時間を増やした。2021秋に日本代表に初選出され、ワーナーとともに欧州遠征に参加。試合出場はならなかったが1カ月にわたるツアーで日本代表を体感した。

「事実として、大学に進学した同期よりも早く日本代表に呼んでもらえました」

 日本代表合宿に招集された際、福井はそう手応えを話していた。当時はまだ異例と見られた選択が、間違いではなかったことを証明した――そう自分に言い聞かせるような口調だった。

 だが、ブレイブルーパス戦に後半からピッチに入った福井の40分間は苦い時間となった。相手ゴール前、絶好のトライチャンスにノックオン。ディフェンスではタックルを外されピンチを招いてしまった。試合後、報道陣のリクエストでインタビュールームに現れると、先輩の堀江翔太や坂手淳史から「あのノックオンのことちゃんと話せよ」「何でタックル外されたかちゃんと話せよ」といじられ、浮かない顔を見せた。

「個人的にはへこむことの多い試合でした。ジャッカルで何本かボールを取れたけれど、それ以上にチームに迷惑をかける場面が多かった。もっと、ワイルドナイツに貢献できる存在にならないと」

実力者揃いの熾烈なバックロー争い

 福井のポジションはNo.8およびフランカー。バックローと総称されるこのポジションは、トップリーグ時代から外国出身選手が多い。近年の日本代表でもリーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)を筆頭に、ピーター・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、アマナキ・レレイ・マフィ(横浜キヤノンイーグルス)、テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス)、遡れば現日本代表HCジェイミー・ジョセフもその一人だった。

 体のサイズとフィジカルの強さ激しさに加え、ゲーム理解度の高さ、BKの選手に比べても遜色ないレベルのハンドリングやスペース感覚、つまり総合力が求められるポジションであり、そこでは経験値が大きな武器となる。サイズや激しさ、タックルなど一芸に秀でていてもなかなか評価は得られない。つまり、若い選手にはハードルの高いポジションなのだ。

【次ページ】 坂手「翔大は考えすぎてしまっている」

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