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なぜ青学の選手には拘束がなくても“覚悟”があるのか? 原監督が後悔を告白「パチンコ、コンパに明け暮れるダメな陸上部員だった」 

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原晋

原晋Susumu Hara

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posted2022/01/02 06:03

なぜ青学の選手には拘束がなくても“覚悟”があるのか? 原監督が後悔を告白「パチンコ、コンパに明け暮れるダメな陸上部員だった」<Number Web> photograph by KYODO

2015年、箱根駅伝初優勝を果たし胴上げされ喜ぶ原晋監督

覚悟が足りず実業団陸上部をクビに

 創設された陸上競技部第1期生として中国電力に入社したときは、覚悟の度合いが足りなかったことを引退した後に気づきました。

 当時の私は、入社するときに会社と約束したことは果たした、と思い込んでいたのです。その約束とは中国駅伝に出場する、というものでした。それほど高いレベルの目標ではなかったので、プレッシャーを感じることもありませんでした。ちなみに、中国駅伝とは現在の全国都道府県対抗男子駅伝、通称「ひろしま男子駅伝」の前身です。

 私はこの目標を入社2年目で実現しました。さらに4年目のときには、元日の全日本実業団駅伝にも初出場しました。これで私は満足してしまっていたのです。自分なりに練習はするものの、飲み会やコンパに参加する日々を送るようになったのです。

 そんな私の行動は陸上部スタッフから全否定され、ついに陸上部をクビになります。当時は、なぜそんな目にあうのかと怒りさえ感じましたが、今ならスタッフの気持ちがわかります。私に実業団の陸上部で走る覚悟ができていなかっただけのことです。

帰る場所が定まっている人は、道を踏み外さない

自分はなにをするのかが定まれば、自然に歯止めがかかる

 だからこそ私は、選手たちに「覚悟」を強く求めています。

 なんとしても結果を出すという強い覚悟がなければ、なかなか練習に身が入らないし、結果にもつながらないものです。なぜなら、「人は怠ける動物」だからです。

 青学陸上競技部でいえば、日々の練習はわずか3時間だけです。残り21時間をどのように過ごすかで結果は大きく変わりますが、「陸上に集中しろ」と言われても、できるわけがないのが大学の4年間。彼女もつくりたい、映画やショッピングにも出かけたい。私はそれを止めるつもりはありません。

 自分はなんのためにここにいるのかをはっきり認識していれば、歯止めは自然にかかるからです。陸上競技部の部員であれば、それは走ることです。そのことをいつも忘れないように、選手たちの生活拠点を寮にすることは一つの方法だと考えています。帰る場所が定まっている人は、道を踏み外さないものです。

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