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藤井聡太竜王は20歳となる2022年、どんな伝説を作るのか 「どこまでいっても変わらず、強くなるため」の探究は続く 

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posted2022/01/01 06:01

藤井聡太竜王は20歳となる2022年、どんな伝説を作るのか 「どこまでいっても変わらず、強くなるため」の探究は続く<Number Web> photograph by JIJI PRESS

まさに「昇龍」の勢いの藤井聡太竜王。20歳となる2022年、果たしてどんな名局を見せてくれるのか

 しかしタイトルは奪えず1959年に引退。その直後、名古屋の一等地に「板谷将棋教室」を構えた。次男の板谷進を弟子とし、その進の弟子が杉本八段だったのだ。その杉本八段の弟子である藤井聡太が、半世紀の時を超えて、将棋界の歴史を次々と塗り替えている。「原点は将棋が強くなること」を大事にした一門から、天才棋士は生まれたのだった。

どこまでいっても変わらず、強くなるために

<名言4>
どこまでいっても変わらず、強くなるために努力することが大切です。
(藤井聡太/Number1018号 2021年1月7日発売)

◇解説◇
 藤井の対局、そして行動が世間のトレンドになる――。ここ数年で当たり前の光景になっているが、あらためて「2021年の藤井聡太」の足跡をまとめると、偉業ばかりである。

・朝日杯将棋オープンで2年ぶり3度目の優勝
・順位戦B級2組で全勝して昇級/順位戦22連勝
・将棋大賞で最優秀棋士賞/最多勝利賞(44勝)、勝率1位賞(.846)など受賞
・竜王戦史上初の5期連続ランキング戦優勝
・棋聖戦(vs渡辺)3連勝で防衛
・王位戦(vs豊島)4勝1敗で防衛
・叡王戦(vs豊島)3勝2敗で奪取(史上最年少19歳1カ月で三冠)
・竜王戦(vs豊島)4勝0敗で奪取、序列1位に(19歳3カ月で最年少四冠)
・王将戦挑戦者決定リーグ5勝1敗で挑戦権獲得

 19歳という年齢を考えれば、どれか1つの出来事でも「将棋界に新星現る」と報じられるレベルの快挙だ。さらに盤上で見せる真摯さとともに、「ぴよりん」や「コロコロしばちゃん」かわいらしいおやつを頼んだり、豊富な語彙力で発信する姿もまた魅力の1つである。

 しかし藤井はそのような快挙や話題性に流されることなく、研鑽に励んでいる。冒頭の言葉は、2020年の王位奪取後の就位式で語ったもの。将棋が強くなる。一意専心なその姿勢こそ、多くの人々が藤井将棋に魅了される本質なのだろう。

 2022年1月、藤井は王将戦で渡辺と再び相まみえる。10代にしての「五冠」なるかとともに、どのような棋譜と言葉を残すかにも注目したい。<大谷翔平編に続く>

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大谷翔平「どこまで行けるのかは僕にもわかんないんですよ。それよりも…」 大絶賛される二刀流だけでなく《2022年に求めるもの》

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