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スポーツ名言セレクションBACK NUMBER
藤井聡太竜王は20歳となる2022年、どんな伝説を作るのか 「どこまでいっても変わらず、強くなるため」の探究は続く
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byJIJI PRESS
posted2022/01/01 06:01
まさに「昇龍」の勢いの藤井聡太竜王。20歳となる2022年、果たしてどんな名局を見せてくれるのか
タイトル経験者すら「力負け」を認めた
<名言2>
ハッキリと反省点がわからない――それは「力負け」と呼ばれるものの正体なのかもしれません。
(中村太地/NumberWeb 2021年3月15日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/847391
◇解説◇
藤井竜王の勢いは、2020年度末の時点から圧倒的だった。第79期順位戦B級2組で10戦全勝の成績を残し、10代にしてのB級1組昇級を果たした。そんな藤井と最終戦を戦ったのは中村だ。王座1期のタイトル経験を持つ実力者は、藤井との対局でわずかながら昇級の可能性を残していた。
「直前には対策・研究を非常に重ね、何十時間もかけて一生懸命臨んだ対局でした」
このように語った中村。しかし事前準備で用意していた作戦に対して、藤井が想定から外れる「柔軟な発想」の一手を見せ、それ以降は構想力が問われる展開に。わずかながら、しかし徐々に形勢が藤井へと傾く中で、中村も一所懸命に指したものの最後は投了に追い込まれた。
中村にとって印象に残っているのは、対局後に行われる「感想戦」でのことだった。藤井も「対局中は自信がなかった」と話していたそうだが、中村の視点から見て「何度振り返ってみても、こちら側にチャンスはなかった」のだという。
勝負の世界で生きる棋士が認めた力量差。ただ、その一局から何を学ぶのか――も大事な要素だ。藤井は2021年終了時点のB級1組で8勝1敗、中村はB級2組で7勝0敗とそれぞれ首位に立っている。佳境を迎える順位戦で、どのような戦いを見せてくれるだろうか。
師匠・杉本八段が語る藤井聡太の才能
<名言3>
藤井聡太という才能によって板谷一門も照らされました。
(杉本昌隆/Number1010号 2020年9月3日発売)
◇解説◇
藤井を語るにあたって忘れてはいけないのは、師匠の杉本八段、そして東海地方で脈々と続いてきた板谷四郎一門の存在だ。板谷四郎九段はプロ棋士として超一流の証である順位戦A級にたどり着き、のちの永世名人となる大山康晴との九段戦に臨んだ経験もある。