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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
久保建英はなぜ“前節決勝点”なのに途中出場、ボールが回ってこなかったか… “試合展開と悪天候の不運”とは〈撮影者の視点〉
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2021/12/15 17:04
セルタ戦に途中出場した久保建英
強風は、ゲームのすべての場面に影響を及ぼしました。CKやFKなどではボールがセットできず、なかなかキックインすることができません。またゴールキックやクリアなど高く上がるボールは見たこともないような軌道を描いていました。
前半は風上に立つマジョルカがやや優位に試合を進めていましたが、ゴールにまでは結びつけることができません。なんとか前半のうちにゴールをしようと、ルイス・ガルシア監督はしきりに指示を飛ばしていました。
そんな中、セルタもマジョルカのゴールに迫りますが、なんとかマジョルカも防ぎ切っていました。
ただ――強風でボールのコントロールが難しくなると、リスクを恐れて余計にロングボールが増えてしまっていました。見るからに軌道が風の影響を受けており、選手も明らかにやりにくそうでした。
セルタはエースのイアゴ・アスパスを欠く中、中盤のフラン・ベルトランがゲームのコントロールを試みます。前半アディショナルタイムはなんと、8分。ピッチ内に強風で物が入り込んだり、セルタ選手が搬送され、さらには主審のインカム装備に問題が発生するなどトラブルが多発しました。試合後の会見では、この状況にマジョルカのルイス・ガルシア監督がクレームをつけていました。
「TAKEコール」が響く中で久保を早期投入しなかった理由
後半に入ると、風上に立つセルタがマジョルカゴール前に迫る時間が増えました。そんな中、イ・ガンインはボックス内に飛び込みシュートを打ちましたが、ブロックされてしまいます。CKもイ・ガンインが蹴るなど、攻撃の中心として徐々に定着してきています。
後半に入り、最初のアップメンバー3人に久保は入っていませんでした。これは、後半早い段階での交代を考えていたこと、そしてまだ久保は残り20分前後までは投入しない(できない)という判断があったからだと思われます。週中に国王杯が組まれていることから、その試合で先発させるための意図もあったのかもしれません。
56分には1枚目の交代でFWのアンヘル・ロドリゲスが投入され、そのタイミングで久保はアップに入りました。現地では、久保がアップに入る前から「TAKEコール」が聞かれました。
どっちつかずの展開に、サポーターから監督への久保起用の催促のようにも聞こえました。