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「メッシであることに慣れているが、無名なら…と思ったことも」メッシが語る“幼なじみ妻”アントネラと日々のルーティーン

posted2021/12/15 17:02

 
「メッシであることに慣れているが、無名なら…と思ったことも」メッシが語る“幼なじみ妻”アントネラと日々のルーティーン<Number Web> photograph by L’Équipe

パリの自宅リビングで家族と7つのトロフィーとともに撮影に応じたメッシ

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 フローラン・トルシュ記者によるリオネル・メッシインタビューの第3回である。

 バロンドールに関して、7度も受賞したことをメッシ自身がどう受け止めているのかというのは、筆者(田村)の素朴な疑問である。ロベルト・レバンドフスキに配慮した今回の受賞スピーチや、自身の受賞をまったく予想していなかった2010年のスピーチ……。7個のトロフィーという現実と真実との違いを、メッシ自身が最も感じているのだろうと思う。だが、それでもメッシは現実を淡々と受け止める。そこにもまた彼の人柄がうかがえる。(全3回の3回目/#1#2へ・肩書や年齢などは『フランス・フットボール』誌掲載当時のままです)

(田村修一)

6.野心について

――あなたの父親によれば、あなたは子供のころ兄たちと家の前の空き地で試合をして負けると癇癪を起し、勝つまで止めなかったとのことです。聞き分けのない子供だったのでしょうか?

「それは認めないといけないな(微笑)。ほんの小さなころから負けるのは大嫌いだった。学んだのは……、慣れたわけではないけど、負けることも認められるようになった。いつなんどきも勝てるわけじゃないからね。僕もたくさん負けたけど、目的を達成できないのは気持ちいいことじゃない。気持は落ち込むしそれが長く続くこともある。そういうときは気持ちを切り替えて、また次のチャンスがあると自分に言い聞かせてはいるけど……」

――敗戦の後はどのぐらいの間、人と喋らずにいるのですか?

「今は違う。子供が出来てからは、家に帰ると子供たちが痛みを和らげてくれる。ピッチで起こったことを忘れさせてくれるんだ。でも確かに彼らが生まれる前――僕の傍にアントネラしかいなかったときは、負けた後は長い間自分の殻に閉じこもっていた。誰とも喋らず、気晴らしのために外出もしなかった。

 小さなころから負けるのは大嫌いで、その気持ちを抱いたまま僕は大人になった。どんなときも全身全霊で勝利を求める。サッカーだけに限らない。あらゆるゲームやスポーツで僕はそうなんだ」

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