久保にとってこの日の不運は“逆風”だった

　両チームともに決定機を何度か作りましたが、寸前で決め切ることはできませんでした。

　69分、久保が呼ばれ、2人目の交代でピッチに入りました。前節のアトレティコ・マドリー戦での劇的ゴールによる勝利の立役者の登場に、拍手が起こりました。

　難しいコンディションの中ですが、攻撃のけん引役としてプレーするイ・ガンイン。もう少し長い時間、久保との共演を見てみたいなと思わされました。

　右サイドに入った久保ですが、風の影響もあり、なかなかボールに触れることができません。前述しましたが、久保のいるサイドから逆サイド側に風が吹く影響もあり、逆風の中、マジョルカは久保までボールを回せません。

　流れの中で左サイドまで流れてきた久保が強くボールを要求する場面がありましたが、ボールは回ってきませんでした。

　なんとかボールに絡もうとしますが、最後までボールに触れた際の久保らしさを発揮することはできませんでした。

　お互いが“今日は勝てる日だった”と思うような展開でしたが、最後までゴールはうまれず。

　ゲーム終了、ややうつむきながらピッチを後にする久保。監督、イ・ガンインらと手を合わせピッチを去りました。

　ここまでの強風だと単純に風上だから有利とも言えないようなコンディションの中で行われた試合でした。

　試合前には延期も検討されたようですが、選手、観客含めて決行という判断は満足できるものだったのでしょうか……。

　金曜日開催だったことを考えれば、土日に延期することも不可能ではなかったと思えます。久保にとっては、アトレティコからのゴールを良い感触を得て臨んだ試合だったと思いますが、短い時間での途中出場で、思ったようにボールに絡めず、思うこともあったのではないでしょうか。

　週中の国王杯、来週末には今年最後となるグラナダ戦が待っています。ここでの先発復帰があるのかも楽しみです。