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「ルーキーの当たり年」が今年のドラフトにも影響する? ドラ1佐藤輝明、栗林良吏の活躍で狙われる“即戦力候補”は…
text by
西尾典文Norifumi Nishio
photograph byKYODO/Kiichi Matsumoto
posted2021/09/14 06:00
侍ジャパンの守護神でも活躍した栗林や阪神の“顔”として前半戦を盛り上げた佐藤など、ルーキーたちの活躍はドラフトの行方にも影響するはずだ
まず佐藤の活躍によってにわかに評価が上がってきているのが、同じ左打の大型外野手である梶原昂希(神奈川大)だ。
今年春までの6シーズン(3年春は新型コロナウイルスの影響でリーグ戦中止)で3度の打率3割をマークしており、通算本塁打も11本を数える。190cm近い長身を生かしたフルスイングは迫力十分で、脚力でも今年の大学生ではトップクラスのレベルを誇る。
その一方で試合数を上回る三振数も記録しているように試合によって調子の波が激しいのは課題となる。プロの変化球にはかなり苦労しそうなタイプで当初は三振を量産することになりそうだが、左方向へも大きい当たりを打てるパワーがあるだけに佐藤と同じように早くから高いレベルに対応できる可能性も否定できない。
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選手としてのタイプは違うものの、同じ神奈川リーグから昨年ドラフト1位でプロ入りした渡部健人(西武)が二軍ながらホームランを量産しているというのも梶原にとって追い風となりそうだ。
阪神・中野のようなリードオフマンは?
同じ阪神の野手である意味、佐藤以上に嬉しい誤算だったのが6位指名の中野ではないだろうか。社会人では走攻守全て目立っていたものの、指名順位を考えてもプロでもいきなりこれだけの成績を残せると予想したスカウトはいなかったはずだ。
同じ社会人のリードオフマンタイプで中野に続く可能性がある選手として浮上しそうなのが、外野手の藤井健平(NTT西日本)だ。ポジションこそ違うものの、スピードとパンチ力に関しては同等のレベルにある選手で、大阪桐蔭→東海大と常に強いチームでプレーしてきた経験も光る。
そして重宝されそうなのがその守備力だ。主にライトを守ることが多いが、その強肩は間違いなくプロに入っても上位のレベルである。少しコントロールが乱れることもあるが、そのあたりを修正できれば一気にレギュラーを奪う可能性もありそうだ。守って走れる外野手が手薄な球団にとっては狙い目の選手と言える。