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「メジャーで1番戸惑った」松井秀喜やイチロー、大谷翔平に続いて筒香嘉智も乗り越えた、 日米で決定的に違う《投手の「間」》とは? 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2021/09/10 17:01

「メジャーで1番戸惑った」松井秀喜やイチロー、大谷翔平に続いて筒香嘉智も乗り越えた、 日米で決定的に違う《投手の「間」》とは?<Number Web> photograph by AFP/JIJI PRESS

パイレーツに移籍後、ホームランを量産している筒香

「そこに関しては短時間で伝えるのは難しい」

 4日の会見でこう語ったように、もちろんオクラホマシティでは打撃に関して様々なアップデートを行ってきた。ただその中で1つのポイントとなったのが、これまでなかなかタイミングが合わずに苦労してきた相手投手との“間”の取り方の変化だったのである。

「結果的に(スイングの)始動が変わっていると思いますが、僕の感覚では日本の(投手の)間とアメリカの(投手の)間は全く違う。その違いに順応できたという風に思う」

 これが筒香の説明する好調の理由だった。

松井秀喜が解説する、日米の「間」の違いとは?

 その日米の「間」の違いとは、どういうものなのか。

 元ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜さんがメジャー移籍1年目を終えた2003年のオフにこんな話をしていたことがある。

「メジャーに移籍して1番、戸惑ったのは相手投手との“間”の取り方でした。日本でプレーしているときは、どの投手もほぼ同じタイミングでスイングができていたんです」

 こう語る松井さんは、日本での独特の間合いの取り方をこう説明していた。

「僕の場合は相手投手の膝でした。投手がモーションを始動して右投手なら右膝、左投手なら左膝……いわゆる軸足の膝がクッと折れる瞬間というのがあるんです。そこでこっちもスイングを始動する。それが僕のタイミングの取り方だったんですね。日本ではそのやり方でほぼ全てのピッチャーに対応できていました」

 しかしメジャーに移籍すると、そのタイミングの取り方で対応できる投手というのがほとんどいなくなってしまったという。

「理由はいろいろあると思います。でもやっぱり大きいのは相手投手のボールの質の違いとフォームですね」

 松井さんの分析だ。

【次ページ】 イチローも大谷翔平もフォームを変えた

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