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[“師匠”が語る]プホルス「今が本当のアイツの姿なんだ」
posted2021/09/10 07:03
text by
マイク・ディジオバンナMike DiGiovanna(LA Times)
photograph by
AFLO
ゼロ年代最高の打者として君臨した“ザ・マシーン”プホルスは、5月に移籍するまでデビュー以来の大谷を間近で見てきた存在だ。躍進する愛弟子の素顔や盟友イチローとの違いなど、大いに語った。
いつの時代も、どの世界でも、「世代交代」の時はやって来る。たとえ現実は残酷でも、目を背けるわけにはいかない。
現役メジャー最高の強打者、アルバート・プホルスは、優しい笑みを絶やすことなく、今となっては、かつての同僚となった大谷翔平の成長過程について、丁寧に言葉をつないだ。41歳となった今年5月、エンゼルスからドジャースへ電撃移籍し、大谷らとは別の道を歩む決断を下した。不動のDHとなった大谷、一塁手ジャレッド・ウォルシュの台頭もあり、自らプレー機会を求めた結果だった。
客観的な事実だけを捉えれば、全盛期を過ぎたベテランが、若い力に追われた形なのかもしれない。だが、通算3000本安打、2000打点、650本塁打をクリアし、将来の野球殿堂入りが確実視される球界の至宝は、時代の変遷をしっかりと見つめ、現実を受け入れていた。
「ショーヘイが今年ブレークしたのは、彼がより気分良く感じられているのが理由だと思う。彼は異国からやって来て、文化を受け入れてきたわけだが、おそらく最初の数年間はとても難しかっただろう。特に、彼にとって英語は第二言語だしね」
ドミニカ共和国出身のプホルス自身も、カージナルスに在籍していた2001年、異国の地・米国でデビューした。同じように海を越えてきた大谷の苦労は、想像するまでもない。しかも、過去数年は故障と向き合う姿を、同じクラブハウス内でつぶさに見てきた。