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大谷翔平にエンゼルス監督、チームメイトが抱いた“畏敬の念”「野球史上最高の選手と一緒に戦っている」 大谷だけが持つ“特別な能力”とは?
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byNanae Suzuki
posted2021/09/09 17:05
バッターボックスで構える大谷翔平。HR数は単独トップの現在43本で、チームメイト、監督が語った衝撃とは…
二刀流経験者が指摘する回復力「僕には不可能だね(笑)」
今季は開幕から二刀流として、大谷はフル出場を続けている。シーズン前、誰がここまでの出場を予想したであろうか。リアル二刀流を解禁し、登板日前後の打者出場にも踏みきったジョー・マドン監督でさえ明確な答えは持っていなかったという。
「どこまでできるのか。正直なところ私にはわかりませんでした。私がプランとして明確に持っていたのはコミュニケーションだけです。私にはこれしかないんですよ。私の考えでは人間関係を構築するには、日々明確なコミュニケーションが必要だということです。前の年に何をしていたのか、何を考えていたのか、次の年に良い状況を生むためには何が必要なのか。つまり、すべては一貫性から始まり、コミュニケーションから始まるのです。今年は春のキャンプから翔平と一平(水原通訳)とは毎日話をしてきました。その結果が今につながっているということは言えると思います」
二刀流の難しさを理解するウォルシュは大谷だけが持つ特別な能力に注目していた。
「彼の回復力だね。投手として、先発して100球を投げ、6回、7回まで投げてくれる。しかも三振をたくさんとる。さらにその間に打者でも出場し、フィールドを走り回っている。(7月26日の)ロッキーズ戦で投げた時なんか、盗塁して、滑り込んで、1回でユニフォームは泥だらけだったよ。それでいて7回まで投げて勝ち投手。次の日は打者として出場する。僕には無理、不可能だね(笑)」
打者として、大谷と「1、2番コンビ」を組むデービッド・フレッチャーは打席での心得を話してくれた。
「彼の前(一番打者)を打つときは、相手のピッチャーになるべくたくさんのボールを投げさせたいと考えている。彼が打席に立つまでに少しでも多くのダメージを与えたいから。そして、できる限り出塁する。そうすれば、彼に任せておけば得点につながる。彼の前を打つようになって、打席で私の考え方も少し変わってきたような気がする」