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稲垣吾郎×草なぎ剛×香取慎吾「東京パラリンピックのここを見る!」パラスポーツをサポートする動機と注目アスリートは?
text by
小堀隆司Takashi Kohori
photograph byTakuya Sugiyama
posted2021/08/24 17:05
東京パラリンピック開幕を前に見どころを語り合った3人。連載を通して多くのパラアスリートたちを取材してきた
この連載を通して数多くのパラアスリートと対談を重ねてきた3人。改めて注目している選手を挙げてもらった。
草なぎ パトリック・アンダーソンさんという「車いすバスケ界のジョーダン」と呼ばれる選手に話を聞いて、プレーしているところも見せてもらったんだけど、車いすの動かし方がダイナミックで、めちゃくちゃ迫力があって格好良かった。彼のいるカナダと日本が対戦したら楽しみだね。
あと、パラテコンドーの太田渉子さんの試合も見てみたい。パラスキーの銀メダリストが転向して、すぐに代表になっちゃった運動神経の持ち主で、彼女がどんな闘いを見せてくれるのか。
香取 不思議なんだけど、オリンピックの中継を見ていたら、僕は早くパラリンピックも見たいと思ってしまった。たとえばアーチェリーを見ていても、パラアーチェリーだと岡崎愛子さんがいて、上山友裕さんがいてと、取材してきた選手の顔が出てくる。今までそんな見方をしたことがなかったから、そんな自分にびっくりでした。
岡崎さんは2005年のJR福知山線脱線事故の被害者で、最後の退院患者なんです。首から下に麻痺が残る大ケガを負ったけど、長いリハビリ生活を経て再びスポーツと向き合った。握力がほぼゼロでも、特殊な道具でパラアーチェリーは矢が放てるんですね。「東京大会はすごく緊張しそう」って話していたけど、ぜひ楽しんでもらいたい。
草なぎ 会って話を聞いた選手は応援したくなるよね。僕は競泳の鈴木孝幸さんも印象深かったな。彼は先天性の四肢欠損で使える腕や足が人より少ない。でも、腹筋はシックスパックでキレイに割れているし、すでにパラリンピックに4度出場して金メダルも獲っている。イギリスに留学したり、すごく行動的だし人生に前向き。
香取 ああ確かに、パラアスリートには前向きな選手が多い気がするね。
選手のSNSをフォロー、完全にファン目線?
稲垣 自分が対談した選手で言うと、パラ卓球の岩渕幸洋さんは優勝候補の一角だし、本番でも楽しみ。日本選手団の旗手にも選ばれているけど、じつはこの連載で会った後、僕のラジオ番組にも出てくれて、つながりが広がったのも嬉しかった。
草なぎ 車いすバスケには鳥海(連志)さんという若きエースがいるんだけど、すごくオシャレで格好良い。対談の最中、彼が「東京大会に向けてどんな髪型にしたら良いですかね」って質問してくれて、すごくいいな、って思った。パラリンピアンの素顔は渋谷にいそうなフツーの若者なんだよね。
香取 僕は、一度会った選手はツイッターやインスタでフォローするようにしていて、そこでも情報を得てます。中でも発信力が高いのがアーチェリーの上山さん。自分の競技やパラリンピックの魅力を広めようと、すごくいっぱい呟いていて、僕もいつの間にか彼の言葉で動かされたりも。
草なぎ いい意味で術中にはまっている(笑)。
香取 この前も車いすテニスの国枝慎吾さんのインスタを見ていたら、飛行機からの写真で「日本に向かいます」って。それとか見て、「おお、ついに来るぜ」ってワクワクしたり。選手を追いながら、ああ、自分たちのファンもこんな思いで応援してくれているのかなって。パラリンピックに関しては完全にファン目線ですね。