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リオ落選からの東京五輪「不安と闘った5年間」7人制ラグビー藤田慶和が今、思うこと《今後は再び15人制へ》 

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田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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photograph byYohei Osada/AFLO SPORT

posted2021/08/02 11:00

リオ落選からの東京五輪「不安と闘った5年間」7人制ラグビー藤田慶和が今、思うこと《今後は再び15人制へ》<Number Web> photograph by Yohei Osada/AFLO SPORT

セブンズでの挑戦を終えた藤田慶和。新リーグ「ジャパンラグビーリーグワン」の舞台でも躍動を期待したい

 前回のリオ五輪では4位という結果を残し、世界を相手に善戦した。さらに19年W杯での15人制の躍進もあった。それだけに今大会は期待が高まっていた。

 しかし、予選ラウンドの3試合は全敗。順位決定戦も11-12位決定戦にまわり、その韓国戦こそ31-19で勝利したが、大会通してみると1勝4敗という結果に終わった。

「僕ら日本の強みは“素早く、鋭く、正確に”プレーすることを意味する『BEE RUGBY』。ポゼッションを上げて勢いのあるアタックを続けて勝利するのが日本です。母国開催ということはプレッシャーにはならなかったと思います。むしろ雰囲気を楽しめました。チームの輪にも自信がありました。

 ただ世界との差を感じる部分もありました。キックオフの精度やディフェンス、そしてブレイキングダウン周りの攻防。ここの精度を上げて行かないと世界の上には行けないと痛感しました」

 キックオフの蹴る位置、そこでボール争奪できるかどうかがボールを長く持ち続けてアタックできるかどうかに大きく影響する。そしてディフェンスとブレイクダウン周りの攻防では日本に反則が多く、相手に勢いを与える形になったと藤田は振り返る。

15人制に復帰「波の少ない選手に」

 超えるべきハードルはある。ただ“勢い”と“アタック”に支配されるセブンズは改めて魅力的な競技だと彼は語る。

「僕自身、これからは久しぶりに15人制ラグビーに戻ります。リオから東京への5年間、そして東京五輪を経験して、どんな状況でも落ち着いてプレーできる手ごたえを感じました。波の少ない選手になっていかなければいけません。もっと余裕を持って状況を打破できる選手になっていきたい。そして五輪代表を経験して、改めて子どもたちに夢を与えられるラガーマン、アスリートになりたいと感じました」

 7人制から15人制に再び活躍の場を戻し、また新たなラグビー人生の歩みを進めていく。望んでいた結果は得られなかったかもしれないが、5年間続いた不安な日々に打ち勝った。この東京五輪を経て、藤田が得たものは何か。それを証明するのはもちろん、ピッチの上だ。

 インタビューの最後に「努力したい」と力強く、言葉にした藤田。前を向く男の表情はこの上なく清々しかった。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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