酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「台湾の次に日本野球が好き」「東京五輪はメダルを狙えた!」 呉念庭・宋家豪らがいるのに…ファンが嘆いた台湾「出場辞退」の“その先”とは
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byPenta Press/AFLO
posted2021/08/05 06:01
プレミア12では躍進した台湾代表。NPBにもなくてはならない人材供給源だ
台湾では大谷やダルビッシュのポスターがある
今回の東京五輪辞退の経緯について紹介したCPBLの劉東洋宣推部主任はこのように語る。
「今年のCPBLは、味全ドラゴンズが一軍に参入して5球団の規模となり、対戦カードも増えました。今のCPBLの一番の目標は台湾の野球市場を拡大し、第6の球団参入を促すことです。また陳冠宇(チェン・グァンユウ/元DeNA、ロッテ)や江少慶(元AAA)といった、海外でプレーしていた選手たちも相次いでドラフト会議を経てCPBLの球団に入団しました。こうした動きによって話題が増え、人気がさらに高まることを期待しています」
五輪出場を逃したものの、意気軒高なのだ。
次回のパリ五輪では、野球競技は行われない。台湾が五輪でメダルを獲得する夢は遠くなったかもしれないが、WBCなどでは、今まで以上に日本の強力なライバルになるのは間違いない。
筆者は2019年の日本vs台湾を、台湾の大応援団の中で観戦した。しかし周囲の人は筆者が日本人だとわかっても笑顔だった。1-8で大敗しても険悪な雰囲気にはならなかった。
台湾のスポーツ用品店には、大谷翔平やダルビッシュ有の大きなポスターが貼ってあるし、PLM(パシフィックリーグマーケティング)がパ・リーグの公式戦を配信していることもあって、関心は高い。「台湾の次に日本が好き」と言うファンも多いのだ。
ようやく感染拡大に歯止めがかかった台湾では、野球ファンが侍ジャパンの活躍を注視している。日本と台湾は東アジアの野球界を盛り上げる「同志」でもあるのだ。
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