「台湾の次に日本野球が好き」「東京五輪はメダルを狙えた！」 呉念庭・宋家豪らがいるのに…ファンが嘆いた台湾「出場辞退」の“その先”とは

「東京オリンピックに台湾野球チームが出られなかったのは、本当に残念だ。メダルを取るチャンスだったのに」

　台湾に行くたびに話を聞く、日本語が堪能な、あるジャーナリストのコメントだ。筆者もそう思う。

　台湾野球界は今年6月初旬、東京五輪野球競技の世界最終予選に代表チームを派遣することを断念したのだ。

2019年のプレミア12で感じた熱気

　2019年11月、台湾は野球の話題で持ちきりになっていた。ターミナル駅には台湾代表チームを応援する巨大な看板が掲げられた。

新幹線桃園駅に掲げられた台湾応援の看板©Kou Hiroo

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　この時期、桃園市や台中市ではWBSC第2回プレミア12が行われていた。これはWBSC（世界野球ソフトボール連盟）の世界ランキング上位チームによって争われる国際大会だが、同時に2020年東京五輪野球競技の予選を兼ねていた。この大会は五輪開催国である日本を除いて、アジア・オセアニア圏で1位になれば、五輪の出場権が得られるのだった。

　台湾はグループBでプエルトリコ、ベネズエラに連勝し、全勝同士で日本と当たることになった。

　この決勝の昼、筆者は試合を運営するCPBL（中華職業棒球大聯盟　台湾プロ野球連盟）の劉東洋宣推部主任に面会するため、台湾代表が泊まるホテルに赴いたが、ホテルのエントランスにも、ロビーにもファンが詰めかけていた。選手はちょうど食事中だったが、ロビーのファンから掛け声が飛んだ。熱気を感じた。

日本ー台湾戦の観客席©Kou Hiroo

　台中洲際棒球場には、超満員の観客が詰めかけた。試合は1－8で台湾が負けたが、安打数は両軍ともに11安打。拙攻が目立ったものの、得点差以上に実力が近づいている印象があった。

　その後、台湾は日本で行われたスーパーラウンドで韓国に7－0で圧勝している。しかしアメリカとメキシコに負けたために、プレミア12での五輪出場権獲得はならなかった。

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