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大谷翔平はなぜ「いつも全力」なのか? 東京五輪を取材をする私が身に染みて感じた“深すぎる理由”
posted2021/08/01 11:02
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph by
Getty Images
「自分たちが生きているうちに、オリンピックが日本で開催されるなんてすごくない?」
「競技場で見たかったね」
「次にオリンピックが日本に来るのは、私たちがおばあちゃんになった頃かな」
オリンピックのメディアセンターに向かう道のりで、前を歩く若い女性たちのこんな会話が耳に入った。
多くの人が、東京五輪を楽しみにしていた。そう考えると胸が締めつけられる。
史上初の“無観客オリンピック”
7月8日、東京都には緊急事態宣言が発出され、それに伴い、東京と埼玉、千葉、神奈川の4都県で行われる五輪の競技が「無観客」で開催されるとは発表された(その後、北海道・福島も無観客に)。
観戦を楽しみにしていた国内外のファン、選手の家族や友人、その競技に携わってきた人たちが、会場で声援を送ることが叶わなくなった。会場にいるのは選手、大会関係者、ボランティア、そして報道関係者のみだ。
緊急事態宣言下という異常な状況、感染数が増加している状況、そして無観客のオリンピック。それらと、どう向き合ったらいいのだろう。そう考えたときに思い浮かんだのは、エンゼルスの大谷翔平の姿だった。
大谷翔平が「いつも全力」である理由
大谷はいつも全力だ。
7月18日のシアトル・マリナーズ戦7回の打席。ファーストの深いところへのゴロとなったが、大谷は猛然と1塁まで走り、タッチの差でセーフになった。
アメリカ人が大谷を愛する理由は、こういった全力プレーにもある。ヒットの可能性が低いときに諦めてジョギングで1塁に向かう選手、可能性があってもトライしない選手もいるなかで、ニ刀流で消耗も激しいはずの大谷のプレーは新鮮だ。少年野球のようなひたむきさを思い出させてくれる。
大谷がそういうプレーをするのは理由がある。