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守備を頑張る宇佐美貴史にシュートする東口順昭、ジュビロの中心にいた遠藤保仁… ガンバを4試合撮って感じたこと【激写】
text by
原壮史Masashi Hara
photograph byMasashi Hara
posted2021/06/13 11:01
自陣のペナルティエリア横で舘幸希と競り合う宇佐美貴史
昌子が怒るシーンもあった
たとえば浦和戦では右サイドの奥野耕平がボールを持っても出すところがなく、幾度となくボールを下げた。
3点リードした浦和が後半に入ってガンバにボールを持たせるようになると、それはさらに目立った。それだけ出される側の動き出しがなかったのだ。東口がシュートを放った直後の試合、しかも新監督になって心機一転となるはずの試合で、準備期間の短さを踏まえても、試合中に改善を図れないのはショッキングな光景だった。
東京戦では、左サイドバックの黒川圭介が追い越しの動きをしても使ってもらえず、次第に上がること自体なくなる。すると最終的には昌子に怒られることになってしまった。倉田と藤春廣輝で相手を慌てさせたイメージが強い左サイドで、倉田がいるのにそうなってしまうとは思わなかった。
翌23日、私は前日と同じく味の素スタジアムにいた。取材した試合は東京ヴェルディvsジュビロ磐田。どういう巡りあわせか、ここでもまたガンバのことを考えさせられた。
この日は首都圏でJ1の試合がなく、J2でこの試合かジェフvs町田の2択だった。ヴェルディ相手だとアウェイでも1stユニフォームを着てくれる磐田を撮りに行こう、となるのは自然な流れで、カレンダーが発表された時から決まっていた。
矢島慎也が遠藤について言及したこと
ガンバのことを考えていてもいなくても、遠藤保仁にレンズが向くのもまた自然な流れだ。ただ偶然は重なるもので、東京戦を前に遠藤の名前を出したガンバの選手がいた。
矢島慎也である。
「ヤットさんがいた時は、みんな言わなくても感じ合っていた」と話しつつ「今は自分のやりたいようにやっている感じ」とコメントしたことが『日刊スポーツ』の記事になっていたのだ。
もちろんこの発言の意図は、遠藤が必要だということではない。だから自分たちはチームとして戦っていく必要があるというもの。記事の中でもその部分のコメントまで載っている。そのことを十分理解したうえでも、どれだけその存在が大きかったのかということは十分伝わってきた。
試合が始まると、背番号50は磐田の中心だった
試合が始まると、背番号50は誰がどう見ても磐田の中心だった。