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“マシンガン継投”せざるを得ないのも想定内? 巨人・原辰徳監督が計算に入れる今季の「特別ルール」とは
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKiichi Matsumoto
posted2021/06/04 11:55
6月1日からの西武との3連戦で3連投した巨人・中川
「もちろん一番大事なのは選手のコンディショニングをどう維持していくかなのですが、同時にシーズンを戦い抜くためにはコロナ禍という特別なシーズンだからこそ采配、選手起用で考えなくてはならないことがある」
ただ、そうした若手の抜擢と同時に、原監督が語るのは選手を欠いたときには、ある程度、ムリをしてでもベンチワークでカバーしていかなければならない局面が出てくる。そのためにきちっと今季の特別ルールを活用することの必要性だったのである。
特別ルールの1つが9回打ち切り、もう1つは……
そうした特別ルールの1つが9回打ち切りであり、もう1つが約1カ月間のオリンピックブレークなのである。
特に原監督がシーズン前からカギとなると見ていたのが、7月16、17日のオールスターゲーム直後の19日から8月12日までの25日間にわたって設けられている、オリンピックによるペナントレースの中断期間だった。
「7月のあの時期に約1カ月間、試合が止まる。今年はその後からまた新たにシーズンが始まるわけで、当然、そこまでのシーズンとその後のシーズンの戦い方というのも変わってくることになるでしょうね」
本来ならデラロサが戻った時点でリリーフ陣の再編を図りたかったのが本音だろう。だからこそ米国から帰国後、隔離期間を終えると二軍での実戦登板も経ずに5月21日にすぐに一軍登録をしてマウンドに上げた。多少の調整不足も登板することで解消するのではないかという目論見だったが、実際問題はあの短期での戦線復帰は、時期尚早だったというのが現実だ。
山口俊投手の巨人復帰も濃厚な状況
そこで改めて二軍で調整をさせる一方で、7月のオールスターブレークという休養期間を見ながら、リリーフ陣に負荷がかかっても、フル回転して何とかデラロサの復帰まで凌いで勝ちを拾っていく。そうしてオリンピックブレークの期間に、改めて投手陣の再整備を行なって、ペナントレースのリスタート後に阪神を捕まえようというのが戦略だ。