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“マシンガン継投”せざるを得ないのも想定内? 巨人・原辰徳監督が計算に入れる今季の「特別ルール」とは
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKiichi Matsumoto
posted2021/06/04 11:55
6月1日からの西武との3連戦で3連投した巨人・中川
戦線離脱していたエースの菅野智之投手も戻り、サンフランシスコ・ジャイアンツを自由契約となった山口俊投手の巨人への復帰も濃厚な状況だ。もし山口が戻れば、8月には先発陣の再整備も完了して、リリーフ陣も少し楽な起用へと転換できる。
そこからリーグ3連覇への道を探ろうということである。
昨年の開幕前のインタビューで原監督はペナントレースを勝つことの難しさを語り「ペナントを勝つ前から日本シリーズのことを考えていたら、必ず足をすくわれる」と話していた。
虎の勢いが原監督を走らせている
しかし昨年もリーグを連覇しながら、日本シリーズでまさかの2年連続の4連敗という屈辱を味わった。そこで今季は開幕前から、打倒ソフトバンクのためにも選手個々のレベルアップを掲げて臨んだシーズンだった。
ただ、いまはまだシーズンを勝ち切ることに精一杯だからこそ、9回打ち切りとオリンピックブレークという2つの特殊事情を踏まえて、いまは必死のマシンガン継投で何とか阪神との差を守って、前半戦を乗り切る決断をしたということでもある。
そう考えるとこの継投は裏を返せば、それだけ今年の阪神は強いという実感があるということだ。
虎の勢いが原監督を走らせている──それもまた紛れもない事実である。