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《暴力事件を起こし、逃避するかのように韓国へ》市民団体が異例の抗議デモ...Kリーグ2部で再起を目指した道渕諒平、わずか3カ月で退団

posted2021/06/04 17:00

 
《暴力事件を起こし、逃避するかのように韓国へ》市民団体が異例の抗議デモ...Kリーグ2部で再起を目指した道渕諒平、わずか3カ月で退団<Number Web> photograph by J.LEAGUE

2020年10月に仙台を解雇された後、今年2月にKリーグ2部・忠南牙山FCに加入した道渕諒平。2ゴールを挙げる活躍を見せたが、市民の反発もあってクラブを退団することになった

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キム・ミョンウ

キム・ミョンウKim Myung Wook

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J.LEAGUE

 韓国市民の猛抗議には、やはり勝てなかった。

 韓国Kリーグ2部の忠南牙山FC(チュンナムアサン)が、元ベガルタ仙台MF道渕諒平との契約を終了した。

 5月31日に同クラブが、韓国メディアに向けて報道資料を配布したことで一斉に報じられたが、遅かれ早かれ、こうなることはある程度、予想できていた。

 道渕は2017年7月、ヴァンフォーレ甲府時代に知人女性への暴行容疑で逮捕、処分保留として釈放され、のちに不起訴処分とされた。しかし、2020年9月にも交際女性への精神的・肉体的暴力行為で逮捕されたことが発覚し、それを週刊誌に報じられたことを受け、同年10月にベガルタ仙台との契約を解除されていた。

 サッカーを続けるには難しい状況だと誰もが思っていたはずだ。しかし、そこで手を差し伸べたのが韓国2部の忠南牙山だった。

議論を重ねた上での決断

入団を伝える忠南牙山FCオフィシャルサイトの様子入団を伝える忠南牙山FC(クラブオフィシャルサイト2021年2月22日リリースより)

 当時、クラブ関係者は道渕を獲得した経緯について、こう語っている。

「クラブ内部でも何度も議論し、多角的に検討したあと獲得に動いた。社会的物議があった点については否定できないが、合宿期間に選手の態度を継続的に見守ってきた。面談を通じて、選手の変化に意志を感じ、今後社会的物議を起こしたり、選手及びクラブの品位を落とす行為をしないという明確な回答を受け、契約を進めた」

 道渕が過去の過ちを反省し、サッカーに専念する態度が確認できたからこそ獲得に動いたというのが、クラブ側の説明だった。

【次ページ】 元J1という実績と手頃な年俸

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道渕諒平

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