核心にシュートを!BACK NUMBER
ブンデス全試合出場の堂安律はミニゲームでも勝ちにこだわる…代表戦で“先輩以上の結果を残さなければいけない”理由
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2021/05/28 06:01
代表戦に臨む堂安律は、積極的なプレーでチームからの信頼を得ている
リーグトップクラスの記録が意味するもの
リーグトップクラスのシュート数やドリブル数は、何を意味するのだろうか。
シュートを打ちすぎると批判されていたジェコはヴォルフスブルクで2009-10シーズンに得点王になり、ドリブルをしかけすぎると指摘されることの多かったムヒタリアンはドルトムントで2015-16シーズンにアシスト王に輝いている。
『若いときの失敗は買ってでもしろ!』と言うわけではないが、シュートにしても、ドリブルにしても、トライし続けて初めて、大きなリターンが得られるのだ。
しばしばハングリー精神が足りないとされる日本で生まれ育った選手でありながら、ヨーロッパでそれだけトライできるメンタリティーこそは、堂安の最大の武器だろう。
チーム内のミニゲームで勝ちにこだわること
ただ、もっとも驚くべきは、22歳にしてあることに気づいていることだ。
『週刊プレイボーイ』の連載ページ「堂安律の最深部」の中で、彼は紅白戦などとは別に行なう、チーム内の5対5のミニゲームで勝ちにこだわっていること、最も多く勝っていることを明かしている。
その点について日本代表に合流したタイミングで問うと、こんな答えが返ってきた。
「やっぱり、勝利のメンタリティーという部分は海外の選手たちが、日本人の選手たちを大きく上回っているものだと僕は思っていて。だから、ビーレフェルト内でも『競争意識を強く持たないといけない』と、自分自身に(言い聞かせてきた)。ただPSVにいたころから、そういう感覚は持っていたのでね。(5月28日に行われるA代表の)ミャンマー戦も、オリンピック(代表)でも還元しなくちゃいけないところかなと思います」
例えば、香川真司は以前から練習で手を抜くことはなかったが、練習中のミニゲームで全力を尽くすこと、勝ちを積み重ねていくこと、その本当の意味に気づくようになったのはヨーロッパに渡ってから7年目、28歳の時のことだったという。堂安は22歳にしてそれに気がついている。
それだけではない。