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ブンデス全試合出場の堂安律はミニゲームでも勝ちにこだわる…代表戦で“先輩以上の結果を残さなければいけない”理由

posted2021/05/28 06:01

 
ブンデス全試合出場の堂安律はミニゲームでも勝ちにこだわる…代表戦で“先輩以上の結果を残さなければいけない”理由<Number Web> photograph by Getty Images

代表戦に臨む堂安律は、積極的なプレーでチームからの信頼を得ている

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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「最近の若い選手はすぐに痛がるし、休みたがる」

 スポーツの世界でもOBと言われる人たちが苦言を呈する場面は多い。でも、そんな感覚論はもう、的外れな時代になったのかもしれない。

 2015年5月のこと。

 ブンデスリーガのシーズンが終了するタイミングで奥寺康彦がドイツを訪れ、そこで長谷部誠と対談する機会があった。そこで長谷部は、当時奥寺が持っていた234試合という日本人のブンデスリーガ通算出場記録更新への想いを語っていた。

 あのシーズンの長谷部は自身のドイツでのキャリア最多となる33試合に出場したのだが、出場停止が1試合あった。だから、奥寺が1982-83シーズンにブレーメンで達成した全34試合出場の記録の価値を、こう評したのだ。

「(34試合すべてに出場するためには)ケガをしてはいけないし、出場停止があってもダメ。奥寺さんはそこが、スゴイと思います」

全試合出場を成し遂げた2人目の日本人

 長谷部やヘルタ・ベルリン時代の2013-2014シーズンの細貝萌、今シーズンの遠藤航など、クラブで不動の地位を築いていた選手たちも、いずれもなんらかの理由で1試合、欠場している。

 奥寺を含めてブンデスリーガのピッチに立った歴代の35人の日本人のなかで、全試合出場を成し遂げた2人目の日本人となったのがビーレフェルトの堂安律だった。

 攻撃の選手は守備的なポジションの選手とは異なり、出場停止になるリスクは確かに低い。だが、相手チームの選手から激しいチャージやタックルを受けることはある。今シーズンの堂安は全選手のなかで4番目に多い、65回のファールを受けている。

 実際、2月15日のバイエルン戦では右ひざの負傷により前半41分に交代を余儀なくされた。数試合の欠場が予想されたが、翌週には練習に復帰。痛み止めを服用して試合に臨むことを検討したが、身体に合わなかったため、最終的には痛み止め無しで4日後のヴォルフスブルク戦に出場したという。

【次ページ】 堂安のプレーはドイツ人に好意的に受け止められた

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