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【ラグビー】クボタ初の4強の要因は? 立川理道が語った“ボルツ”の存在と一体感を作った“オレンジアーミー”「財産になりました」
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph bySportsPressJP/AFLO
posted2021/05/20 17:00
惜しくも決勝進出を逃したが、主将としてクボタの躍進を牽引した立川理道
しかしこの時、試合を生放送していたスポーツテレビ局「ジェイスポーツ」の中継映像では、元日本代表キャプテンである解説の菊谷崇がこう言っていた。
「バーナード・フォーリーがいなくても、立川がいるのはクボタにとって大きいですね」
この日、センターで先発していたキャプテンの立川理道(たてかわ・はるみち)。天理大学4年時はスタンドオフとして初の大学選手権決勝進出に貢献。日本代表55キャップを誇り、全試合に先発した15年W杯では、スコットランド戦で10番を背負った。
フォーリーの代役を急遽務めた立川は獅子奮迅だった。
すぐさま自陣脱出のキックを担当すれば、後半9分にはジャッカルで窮地を救った。同25分には大外へのキックパスを南アフリカ代表のHOマルコム・マークスに通すなど、万能ぶりをいかんなく発揮した。
キャプテンの奮闘に呼応するようにクボタはハードワークした。
「『やることは変わらない』と伝えました。1人少ない部分については、14人がハードワークする必要があるという共通認識を持っていました。試合を見ても分かるように、みんながハードワークしていました」(立川キャプテン)
敵も認めるクボタの「時間の使い方」
アタックでやることはボールキープ。高い攻撃力を持つ神戸製鋼に、そもそも攻撃権を渡さない。守備では14人でハードワークする。胸を打つ団結力は後半のペナルティ数にも現れ、神戸製鋼の11に対してクボタはゼロだった。スクラム、モールで反則を誘う一方、規律面で優位を保った。
15年W杯日本代表だった神戸製鋼のSH日和佐篤は、試合後に悔やんだ。
「クボタさんの時間の使い方は上手かった。ペナルティといった部分で、ゲームをスローにさせてしまう要因を自分たちで作ってしまいました」