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【初対決は6月26日】ラグビー日本代表が注意すべき選手とは? “連合ドリームチーム”ライオンズ「南アフリカを倒すため」に選ばれた37名
posted2021/05/12 17:01
text by
竹鼻智Satoshi Takehana
photograph by
Getty Images
4年に一度、ホームネーションと呼ばれるアイルランド、イングランド、ウェールズ、スコットランドから選抜されるドリームチーム「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」。4年ごとに南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアを遠征するが、今年、“12年に一度”のホスト役を務めるのは南アフリカだ。W杯日本大会の優勝国である南アフリカと4カ国のオールスターチームの対決は、世界のラグビー界の大きな注目を集めるだろう。
今回のライオンズ遠征は、3試合の南アフリカ代表とのテストマッチと、6試合の準備試合で構成される。その口火を切るのは、6月26日にエディンバラのマレーフィールドで行われる日本代表戦だ。歴史を変える躍進を見せてきた日本は、世界のラグビー界にさらに深くその名を刻みつけるチャンスを初めて得ることになった。
そんなブレイブ・ブロッサムズ(日本代表の愛称)を欧州の地で待ち受ける今年のライオンズの先鋭37名が先日、発表された。今年は一体どんなチーム編成となるのだろうか。
「南アフリカを倒すためのチーム」
2013年のオーストラリア遠征、2017年のニュージーランド遠征に引き続きチームの指揮を執るのは、ウォーレン・ガットランドだ。ニュージーランド出身のガットランドHCは2007年から19年までウェールズ代表のHCを務め、欧州ラグビー界に名将としてその名を刻み続けている。
そんなガットランドHCがキャプテンに指名したのは、ウェールズの鉄人LO、アラン=ウィン・ジョーンズ。2009年、2013年、2017年に続き、4回連続のライオンズ選抜という圧倒的な経験値を誇り、誰よりも頼りになる大ベテラン選手だ。今年のシックスネーションズでは大方の予想に反して優勝を収めたチームの絶対的な精神的支柱でもある。35歳となった今でもピーク超えを感じさせないほどの高いパフォーマンスを見せ続けているだけに、プレーでも十分にリーダーシップを発揮できる。
ガットランドHCとしてはウェールズ代表での長い協働実績もあり、安心して大役を任せられる選手だ。
ただ、実力が拮抗したこの4カ国の選手から37人の遠征メンバーを選ぶのだから、選手の当落選については様々な意見が飛び交った。ガットランドHCは今回の編成についてはこうコメントを残している。
「南アフリカは、本来のDNAに従ったラグビーに戻ったという印象です。W杯での戦いを見ても分かるように、肉弾戦に勝つことが全てである、というメンタリティが窺えます。このチームは、南アフリカ代表を倒すためのチームです。相手がニュージーランドやオーストラリアであれば、大きく違ったメンバーを選んでいたでしょう」
コロナ禍の影響を受け、2019年W杯決勝戦以来、一度もテストマッチを戦っていない南アフリカ代表だが、ガットランドHCは正面から徹底的な肉弾戦を挑まれるという前提で、今回の遠征メンバーを選んだと説明した。その象徴とも言えるサプライズ選手となったのがイングランドのNo.8サム・シモンズだ。