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【天皇賞・春】“ビワハヤヒデvsナリタタイシン”以来の阪神開催で何かが起きる? 当時、岡部幸雄が美浦に戻って語ったこととは
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byKyodo News
posted2021/05/01 11:02
今年の天皇賞・春はビワハヤヒデ(左)が制した27年前以来となる阪神開催だ
近年の天皇賞・春は当時と違う
さて、それ以来となる阪神競馬場で行われる天皇賞(春)だが、この伝統の一戦は当時と少々傾向が違っている。当時のこのレースの勝ち馬にはスーパークリークやメジロマックイーン、ライスシャワーにマヤノトップガン、その後もスペシャルウィークやテイエムオペラオーといった他にもGI勝ちのある馬の名が並んでいた。いわゆる実績のある馬でないと勝てないハイレベルなレースだったのだ。
しかし、近代競馬のスピード化に拍車がかかったせいか、2004年のイングランディーレあたりから気配が一変した。ディープインパクトやゴールドシップ、キタサンブラックといった実力馬がしっかりと結果を残した年も勿論あるが、反面、先のイングランディーレのようにGI初制覇や重賞初勝利が春の天皇賞という馬も一気に増えた。スズカマンボ、アドマイヤジュピタ、マイネルキッツ、ジャガーメイル、ヒルノダムールにビートブラックやレインボーラインなどなど。
さて、今年GI勝ちがあるのはマカヒキ(牡8歳)とワールドプレミア(牡5歳)という栗東・友道康夫厩舎の2頭のみ。他にアリストテレス(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)やウインマリリン(牝4歳、美浦・手塚貴久厩舎)、カレンブーケドール(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)にディープボンド(牡4歳、栗東・大久保龍志厩舎)らGI好走歴のある馬もいるが、ディアスティマ(牡4歳、栗東・高野友和厩舎)といった上がり馬もいて、中心視される馬がいない。いや、逆に有力視出来る馬が何頭もいるといった雰囲気だ。例年と違う舞台という事もあり、鞍上の腕がよりモノを言うのか。週末は阪神競馬場に注目したい。