沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
天皇賞・春は武豊「これが京都だったら…」の再来? 阪神の“短い直線356.5m”でディープボンドに勝ちうる馬は
posted2021/05/01 17:03
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
伝統の長距離GI、第163回天皇賞・春(5月2日、阪神芝外→内回り3200m、4歳以上GI)は、京都競馬場が改修工事中であるため、27年ぶりに阪神競馬場で行われる。
27年前に阪神で行われた天皇賞・春を制したのは芦毛の強豪ビワハヤヒデだった。前年のクラシックで三強の一角を担って菊花賞を制し、年度代表馬となった。切れる脚がないぶん、高いレベルできわめて安定した走りを見せ、通算16戦10勝2着5回という素晴らしい戦績を残した。
2着は、前年ビワハヤヒデとともに三強を形成した皐月賞馬ナリタタイシン。こちらは強烈な瞬発力が武器で、直線が長ければ長いほどいいというタイプだった。
直線の短い阪神が舞台となったことは明らかにビワハヤヒデにとってプラスで、そのぶんナリタタイシンにとってマイナスだった。ナリタタイシンの主戦だった武豊は、レース前、「これが京都だったら、絶対にビワハヤヒデに負けない」と話していた。やはり、というべきか、ナリタタイシンは上がり3ハロン36秒1というメンバー最速の末脚で追い込んだが、ビワハヤヒデに1馬身1/4及ばなかった。
今年の天皇賞・春の直線はかなり短い
阪神競馬場は2006年に大規模な改修がなされ、芝の外回りコースが新設された。外回りコースの直線は473.6mと、京都外回りの403.7mより長い。しかし、今年の天皇賞・春は、1周目が外回りで、2周目は内回りという変則コースになるので、最後の直線は356.5mとかなり短くなる。
1周目を内回り、2周目を外回りにしたほうがいいような気もするのだが、そうすると、レース中に内回りと外回りを仕切るロープ柵を移動することなどが、時間的に難しくなるのだろうか。
いずれにしても、今年のコースは、27年前同様、瞬発力を武器とするタイプよりも、動きたいところで動くことのできる機動力のあるタイプに有利な舞台となっている。