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予防を取るか、副作用を避けるか… 東京五輪出場選手に迫る「ワクチン接種のタイムリミット」とは?
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byAFLO
posted2021/04/24 17:00
東京五輪開催まで3カ月を切ったが、問題は山積している
個人差はあるが、多くの選手が接種後3~5日後には練習復帰している。全く副反応がなかった選手もいる。一方、米国の長距離チームのコーチは2回目の接種から1週間以上たっても体調不良に悩む選手が多いと首をひねるように、個人差がとても大きい。
米国ラグビー連盟がワクチンの有効性や副反応について選手に説明会を行っているように、接種のタイミングに関しては、各連盟のメディカルチームやコーチにも指示を仰いだという選手も多い。
パラリンピックのウェイトリフティング選手のジェイク・シュロームは、遠征先の英国から帰国し2週間後に1回目を接種予定だが、「副反応で練習や大会に支障が出ると困るので、遠征前の接種は避けた。帰国後のPCR検査は陰性だったので、隔離後に接種するつもり」と説明する。
「予防」を取るか、個人差の大きい「副作用」を避けるか
日本政府が6月末までに日本選手への接種を優先的に行うという報道も出ているが、1回目と2回目のギャップタイム、副反応での体への負担などを考慮に入れると、接種可能な時期は限られてくる。
日本に限らず、ワクチン未接種の選手たちが接種による効果と、接種によるマイナス部分を天秤にかけ、どちらを選ぶのかも気になるところだ。