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ディープインパクト産駒が思わぬ苦戦も? 京都競馬場休止に地震が追い打ちをかけた「傷んだ馬場」問題

posted2021/04/10 11:01

 
ディープインパクト産駒が思わぬ苦戦も? 京都競馬場休止に地震が追い打ちをかけた「傷んだ馬場」問題<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

開催過多で馬場の傷みが激しい中京競馬場では3月14日の金鯱賞(GII)で最低人気のギベオンが逃げ切る大波乱

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片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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SANKEI SHIMBUN

 2月13日23時8分頃に発生した、マグニチュード7.3の地震は福島県沖が震源地。津波の被害こそなかったものの最大震度は6強で、10年前の大震災より揺れはきつかったという証言も聞こえてきている。福島競馬場はスタンドを中心に大小の損傷があったようで、4月10日から4週間予定されていた開催が新潟に振り替えられることになった。

 ようやく無観客からの脱却のメドが立ったところでもあり、競馬開催は街の賑わいにもつながると期待されていた。それだけに、現地の失望を思うとため息しか出てこない。夏の開催(7月3日からの3週間)には復旧が間に合ってほしいと願うばかりだ。

 ただでさえ、今年のJRAの開催は変則的。京都競馬場の大改修工事の影響で阪神開催が53日と長くなっていることを筆頭に、東京44日、中山42日、小倉30日と、馬場の傷みが心配される日数となっているのだ。その上、今回の緊急措置で、福島が12日と減った反動で新潟が36日開催となった。どの競馬場も、馬場保全に忙しい毎日を過ごしているに違いない。

 京都は来年も休止が決まっており、福島の復旧が遅れたときには他の競馬場の負担がさらに増すことになる。考えられるのは、14日間の札幌と、12日間の函館にもう少し頑張ってもらうことぐらいだろうか。好調な売り上げとは裏腹に、コロナ、地震、持続化給付金と、実は課題山積のJRAなのだ。

切れ味より消耗戦に強い馬が台頭してきそう

 世界一優秀な馬場造園技術を持っているJRAは、'92年ごろに意識的にヨーロッパ型のパワー優先の芝を導入したフシがある。当時の阪神競馬場だけが突出して時計がかかったのだ。メジロパーマーが勝った宝塚記念が印象的な典型例で、その勝ち時計は良馬場発表なのに2分18秒6。翌'93年、メジロマックイーンが勝ったときも2分17秒7とその名残りがあったが、'94年はビワハヤヒデが2分11秒2。そのあたりからJRAが一気に高速馬場に舵を切ったことがわかり、これは造園技術の裏返しでもある。

 ただし今年の場合は、馬場の使用過多による断続的な傷みを補うという難題。普通に考えると、切れ味タイプより消耗戦に強い馬が台頭してきそうで、ディープインパクト産駒の思わぬ苦戦シーンも想像できる。

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