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レブロン「理由も見いだせない」…オールスター開催に否定的でも「誰一人出場を辞退しなかった」のはなぜか? 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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posted2021/03/10 17:03

レブロン「理由も見いだせない」…オールスター開催に否定的でも「誰一人出場を辞退しなかった」のはなぜか?<Number Web> photograph by Getty Images

「興味ない」と今季のオールスター開催に否定的な意見を述べていたレブロン・ジェームズ

「開催に向けた決定がなされるまでは様々なやりとりがあった。ただ、最終的に会場に集まってくれば、みんなこの場を大事に思うものなんだ」

 クリス・ポールのそんな言葉通り、様々な制約の中でも選手たちはほぼ総じて球宴の場を楽しみ、盛り上げようと意識しているように思えた。序盤のダンク合戦から超ロングジャンパーでのフィニッシュまで、ノーディフェンスで大味な中でも見どころは盛り沢山。可能な限りのエンターテイメントを提供し、お茶の間のファンを喜ばせようという意思は少なからぬ選手から見て取れた。

 賛否両論があったイベントを開催するにあたり、NBAの安全対策と演出が素晴らしかったことも忘れてはいけない。前述通り、有料入場者はゼロの無観客ゲームではあったが、選手の家族だけではなく、医療従事者、伝統的黒人大学(HBCU)の生徒など1500人がゲストとしてアリーナに招待された。各イベントの合間には彼らの活動が紹介され、おかげで今回のオールスターは単なるゲーム以上の趣を感じさせることにもなった。このように選手の意思とNBAらしい演出、運営面のバックアップがマッチしたがゆえに、2021年のオールスターは最終的には記憶に残るものになったのである。

NBAの歴史の重要な1ページとして

「オールスターの各イベントがすべて1日で終わるというのも貴重な体験だった。ただ、あくまで安全な形でだけど、やっぱりファンがいて、エナジーに満ち溢れている方がより良い経験になるね」

 これまでとは毛色の違った球宴を経験した後で、カリーのそんな言葉は実感を持って響いてくる。同じように感じているのはもちろんカリーだけではない。リーグ最大のショウケースイベントである3日間のオールスター・ウィークエンドが、1年後にはノーマルな形で戻ってくれることを願ってやまない。

 そんな“通常”を目指す途上で、2021年オールスターは厳しい状況下でもやり遂げなければならない橋渡しのイベントだった。ここでの成功は推進力になるし、リーグの将来にも生きてくる。昨夏のバブル同様、無観客のオールスターも語り継がれ、NBAの歴史の重要な1ページとして刻まれていくはずである。

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