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彗星ジャパン、闘争と団結と。~ハンドボール世界選手権~
posted2021/02/19 07:00

彗星ジャパンの主将、土井レミイ杏利は世界選手権前にも心からの自信を語っていた
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田口有史Yukihito Taguchi
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Yukihito Taguchi
7戦全敗での最下位から2年、再び世界選手権に挑んだ日本代表“彗星ジャパン”は、24年ぶりの予選ラウンド突破を成し遂げた。その快挙の理由を、選手の証言から紐解いていく。
「クロアチアは世界のトップクラスの力を持つ国で、今まで何度も敗れてきた国だ。ファイティングスピリットを見せて、自分たちに自信を持てる試合をしたい」
1月13~31日にエジプトで行われたハンドボール男子世界選手権。この大会の初戦を前に、日本代表「彗星ジャパン」のダグル・シグルドソン監督はそう語っていた。
2年前の世界選手権で彗星ジャパンは7戦全敗。ヨーロッパの強豪国と接戦を演じたものの、一つの勝利もあげられず最下位に沈んだ。一番の敗因を精神面と分析した彗星ジャパンは、メンタル強化に時間を割いてきた。その成果を、主将を務める土井レミイ杏利は大会前にこう語っている。
「前回大会の時には『勝つぞ』と本気で100%言えていたか、今思えば疑問があった。けれど今大会は、本当に心の底から『勝ちに行く』と言えます」
初戦の相手のクロアチアは五輪金メダル2回、世界選手権の優勝経験も持つ強豪国。全選手が欧州トップリーグでのプレー経験があり、世界トップレベルのスター選手もいる。前回大会では27対35と完敗していた。
この試合から、土井の提案で一つアクションが加わった。ロッカーを出る際、ベンチ外を含む全選手とスタッフで抱き合い、背中を叩き合って互いを鼓舞。闘争心とチームの結束を高めようという意図があった。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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