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「時間と空間をコントロールするスタイル」不世出のゲームメーカー・シャビがこだわる“サッカーの鍵”とは 

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ジェレミー・ドクトゥール&アントワーヌ・ブーロン

ジェレミー・ドクトゥール&アントワーヌ・ブーロンJeremy Docteur et Antoine Bourlon

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2021/02/21 06:01

「時間と空間をコントロールするスタイル」不世出のゲームメーカー・シャビがこだわる“サッカーの鍵”とは<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

スペイン代表では133試合に出場して得点は13。意外な少なさがシャビのプレー特性を物語る

――どうすれはそのようなハーモニーを得ることができるのでしょうか?

シャビ まず優れた選手が必要で、次に彼らを説得して納得させる。この哲学に基づいてプレーすれば、プレーのどんな局面もコントロールできる、相手にとって危険な状況を作り出すためのボール支配が可能になるという確信を、選手に植えつけるのが監督の仕事だ。選手がひとたびそうした確信を得れば、成功はほぼ間違いない。

年齢にかかわらず、脳のトレーニングに終わりはない

――知性の働きも大きいのでしょうか?

シャビ 進化はあらゆる面で可能だ。本当にすべてにおいてだ。たとえば判断の場面を考えればいい。今日のサッカーではコンマ1秒の決断を迫られる。それは日常的な訓練で鍛えることができる。またポゼッションプレーにしても、ミニゲームやワンタッチのボール回しで日々トレーニングできる。速くプレーすることでプレーはより完璧になる。トレーニングを積めば積むほどさまざまなことが可能になる。それは年齢とはまったく関係ない。13歳や15歳だろうと、あるいは35歳だろうと誰にでもできることだ。脳を活性化させ素早い決断を下すためのトレーニングに終わりはない。

――あなたの輝かしい経歴のなかにバロンドールはありません。その点で悔いはありますか?

シャビ その質問は耳にタコができるほど受けた! 僕がサッカーをはじめたとき、バロンドールは目標でも何でもなかった。子供のころはもちろん10代になってからもまったく意識していなかった。バロンドールは夢の遥か先にあった。僕が渇望し思い描いていたのはバルサでプレーすることであり、プロとして生計を立てリーグ戦に出場し、できる限りたくさんのタイトルを獲ることだった。僕はCLに4度優勝しリーガを8度、コパデルレイを3度、W杯を1度、EUROを2度制覇した。それがすべてで、これ以上はないキャリアを築けたと思っている。

 バロンドールはまったく別だ。トップ3に複数回入った(2009年と10年、11年)のがすでに凄いことで、ちょっと考えられない。加えてその3回はいずれも史上最高の選手が栄誉を獲得した。リオネル・メッシだ。彼こそ受賞に値した。

――プレーは進化し、アンドレア・ピルロがそうであるように10番のポジションはより後退しました。さらにアレクサンダー・アーノルドのように後方のサイドからゲームメイクをする選手も出現しました。今後もイノベーションはこの方向で進んでいくのでしょうか?

【次ページ】 監督は常に革新を試みるべき

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