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注目はエディーの寵愛を受けて育った巨漢No.8の暴れっぷり! 欧州ラグビー冬の風物詩で見ておくべき選手
 

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竹鼻智

竹鼻智Satoshi Takehana

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posted2021/02/06 17:00

注目はエディーの寵愛を受けて育った巨漢No.8の暴れっぷり! 欧州ラグビー冬の風物詩で見ておくべき選手<Number Web> photograph by Getty Images

激闘の末、オータムネーションズを制したイングランド代表。エディー・ジョーンズHCは功労者ブニポラを笑顔で迎えた

アイルランドはセクストン頼み?

 この2強を脅かす存在としてアイルランドの奮起にも注目したい。

 チームの生命線は、やはりSOジョナサン・セクストンだろう。2009年の代表デビュー以降、司令塔、キッカーとして幾多の名勝負に名を残してきたベテランは、昨年に名フッカー、ロリー・ベストの後を継いでキャプテンに就任した。

 しかし、近年はやや負傷やコンディション調整に悩まされている。19年W杯でも日本戦は負傷欠場。勝負の世界に「たら、れば」は禁物だが、この試合にセクストンが出ていたら……と、アイルランド国民の誰もが感じていたことだろう。代表とクラブが協働し、出場試合数やコンディショニングを管理されるセクストンだが、一旦この大黒柱が抜けると、チームは別物になってしまうのだ。

 そんな事実は対戦相手にも当然、認識されており、今大会も巨漢FWがセクストン目掛けて次々と襲いかかってくるだろう。セクストンの活躍は必至だが、それに代わるリーダーの台頭も求められるアイルランド。2強の牙城を崩す「3番手」の意地を見たい。

ライオンズとの対戦を控える日本

 ここまで優勝候補を掘り下げてきたが、もう1つの見どころとして「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」の存在を忘れてはならない。

 4年に一度、イングランド・アイルランド・ウェールズ・スコットランドの精鋭たちで結成されるドリームチームは、今年の夏に南アフリカへの遠征を予定している。その準備試合として、日本代表が初めて対戦することが決まったのだ(6月26日、スコットランド・マレーフィールド)。

 2020年は活動ゼロに終わった日本にとって大きな試合となるが、コロナ禍の現状では遠征、さらにライオンズの結成自体に不確定要素がある。本来であれば、このシックスネーションズで新生ジャパンが対峙するかもしれないホームネーション(イングランド・アイルランド・ウェールズ・スコットランド)の選手を先取りして紹介したいところだったが、そんな期待も泡と消えるかもしれないのが残念だ。

 それでも23年W杯を見据えれば、欧州ラグビーの事情を押さえておくのは今後の日本代表の活動をより深く見るための材料になるだろう。

 欧州最高峰の舞台では、観る者を熱くする戦いが必ず繰り広げられる。空っぽのスタジアムでも、それはきっと変わらない。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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