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田中達也「田中達也さんとレッズに憧れ…」 ポジショナルプレーなど戦術愛を熱弁【浦和加入インタビュー】
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byURAWA REDS
posted2021/01/29 11:01
今季から浦和に加入した田中達也。リカルド・ロドリゲス監督の戦術の下でどう輝くか
――リカルド・ロドリゲス監督が志向するのは、ポジショナルプレーと呼ばれるスタイルです(※位置的、数的、質的優位性を生かして主導権を握り、試合を進めていくサッカー)。そうしたスタイルに、田中選手も19年7月から1年半の大分トリニータ時代に片野坂知宏監督のもとで触れていますね。
「ポジショナルなサッカーということで言えば、18年の熊本もそういうスタイルだったので、基本的な部分は(当時監督の)渋谷(洋樹)さん、(コーチの)キタジさん(北嶋秀朗)さんから学びました。熊本はどちらかと言うと、静的なポジショナルプレーだったんですけど、大分は動的なポジショナルプレーもやっていて。もともと僕はサイドの選手なんですけど、大分では幅を取るだけじゃなく、シャドーでも起用されて、中から外の裏を取るプレーも求められたので、プレーに幅が出たかなと思います」
――もともとドリブル突破やスピードが武器でしたが、数的優位の築き方や集団としてのスペースの作り方、ボールの動かし方などを覚えて、自分の世界がどんどん広がっていった?
「アドリブが利くようになったと思いますね。大分に加入した最初の半年は、外に張っていて、いい状態で味方からのパスを受けて1対1で仕掛けることが多かったんですけど、20年は戦術変更があったので、自分がどうすればチームのやり方にハマるのかをたくさん考えた。その結果、チームの狙いから外れることなく、自分の立ち位置を微妙に変えたりできるようになったと思います」
最初は「頭の中が凝り固まっていた」けど
――臨機応変にプレーできるようになったんですね。
「そうですね。例えばポジショナルプレーのベースを学んだばかりの頃は、相手が4-4-2だったら、3-4-2-1で入ったほうが全員が優位なポジションを取れる、というようなことばかり考えていて、頭の中が凝り固まっていたんです。でも、去年は相手が2トップでも、ボランチの枚数が多ければ4バックのままでもいいとか、あえてプレッシャーを受けるために同数にするとか、プレッシャーを止めるためにプラス1をどこで作るのかとか、柔軟に対応できるようになった。今は頭の中がかなり整理されているので、リカさんのもとでサッカーをするのが楽しみで仕方ないです」