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梶谷が巨人に行っても“DeNAには神里和毅がいる” 4年目のリードオフマンが語る「勝負の1年」 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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posted2021/01/05 17:01

梶谷が巨人に行っても“DeNAには神里和毅がいる” 4年目のリードオフマンが語る「勝負の1年」<Number Web> photograph by KYODO

昨シーズンは80試合で52安打、3本塁打、17打点、打率.308。FAで巨人へ移籍した梶谷隆幸の穴を埋める最有力候補として期待がかかる

「はっきり言ってしまえば昨シーズンは現在のことではなく、先のことを考えてプレーをしていました。正直、他の外野陣が打っていたのでチャンスはないと思っていたんです」

 キャリアハイともいえる数字を残した梶谷のほかに首位打者になった佐野恵太やビッグインパクトを残したタイラー・オースティンなど外野手には強烈なメンバーが揃っており、神里は80試合の出場にとどまった。

「例えば誰かが怪我をして僕が代わりに入って打ったとしても、帰ってくれば間違いなく外されてしまう。それならと、来年に向けフォームを見つめ直したり、良いものを取り入れたり、いろいろと工夫をしながらプレーをしていたんです」

 切り替えが必要だった我慢のシーズンは、自己探求の日々でもあった。本人も言うように、フォームにはかなり手を加えた。基本的に神里は縦振りのバッターなのだが、修正点を簡単に言うと一昨年まではバットのヘッドを寝かせたまま始動していた。しかし昨季はヘッドを立てて構えタイミングをとっている。

「自分のなかでは思いっ切り変えたといった印象なんです。まずはバットを寝かせていると遠回りになりますし、調子が悪くなると横振りになってしまうので、とにかく立てた状態から振れるように。そして、どこに向かってバットを落としていくのかが重要です」

 研ぎ澄ましたのは“バットを落とす”感覚。ポイントを見極め、点ではなく、縦のラインをイメージして力感なくスムーズに振り抜くことを心掛けた。

 理想的なスイングができたと自負しているのが10月30日の阪神戦、セーブ王のスアレスから放ったセンター前ヒットのひと振りだ。速球に押し込まれながらフルカウント、インローぎりぎりにきた157キロの難しいストレートを素直なスイングで打ち返した。

「あの感覚は今でも残っていますね。スアレスのあの速いボールを“バットを落とす”イメージで上手く打てたので、ああいう感じでできれば今後は楽だなって。本当、バットを振るのではなく、落とすだけ。その意識で打てたわけですから」

ラミレスの「首位打者も狙える」を伝えると……

 勝負と位置付ける今シーズンに向け、着々とブラッシュアップを施してきた昨シーズン。フォーム以外にも、左投手に対する打率の向上や、コースを見極めることでフォアボールを増やすことができ、また課題だった盗塁のスタートも周りの状態を冷静に見極めながら切ることができた。

 だが守備や走塁など凡事徹底しなければいけない課題はまだまだあり、チームの中心人物になるためには、さらなる安定感が求められる。ただ優勝を狙う上でも必要な選手であり、そのポテンシャルは疑いようがない。打者の見極めに慧眼を持つラミレス前監督は退任の日「神里は3割3分打つ力はあるし、首位打者も狙える」とコメントを残している。

 それを神里に伝えると悔しそうな表情を浮かべた。

【次ページ】 「勝負の1年にしたいと思います」

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