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「僕がここに来たのには理由があった」レブロンがコービーの死を越えて語った、優勝の“意味”
posted2020/10/23 17:01
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Getty Images
NBAの2019-20シーズンは、ロサンゼルス・レイカーズの優勝で幕を閉じた。ファイナルMVPに選ばれたレブロン・ジェームズにとってレイカーズに移籍して2シーズン目での優勝で、レイカーズにとっては10年ぶり、17回目の優勝だ。コロナ禍で、ファンは優勝の瞬間をスタンドから見ることができず、優勝パレードも安全に開催できるようになるまで延期と発表されているが、それでも、しばらくプレイオフからすら遠ざかっていた名門レイカーズが復活し、ファンは歓喜に沸いている。
そんなレイカーズのファンについて、NBAファイナル中に、レブロンが興味深いことを言っていた。2シーズンの間、レイカーズの一員として活動して、レイカーズについて学んだことは何かと聞かれたときの答えだ。
「ひとつ学んだことは、レイカーズの忠実なファンは、レイカーズに来る前のことはまったく気にかけてもいないということだ。レイカーズの一員となり、そこで何かを成し遂げるまでは認めることはない。レイカーズに入る前の経歴は気にもしていない。レイカーズとして成し遂げることでリスペクトしてくれる。それを学んだ」
「レイカーズのファンにとって大事なのは」
レブロンとレイカーズ・ファンの関係は、始まりから少し複雑だった。2年前の夏にレブロンが移籍先としてレイカーズを選んだとき、レイカーズ・ファンの大半は喜んだ。2013年にコービー・ブライアントがアキレス腱を断裂して以来、低迷し、迷走し、スーパースターとは縁遠かったレイカーズにとって、まさに救世主の到来だった。
しかし一方で、レブロンといえばコービーと、かつてリーグのトッププレイヤーの座を争っていたライバルだ。そのために手放しで喜べず、複雑な思いだったファンも多かった。
そんなファンの声を聞いたコービー自身は、当時ラジオに出演したときに、こう言ってレブロンをサポートしていた。
「僕のファンなら、レイカーズのファンで、勝利を求めているはずだ。僕自身、小さいときからレイカーズ・ファンで、身体には(レイカーズのチームカラーの)パープル&ゴールドの血が流れているからわかる。レイカーズのファンにとって大事なのは優勝することだ。だから、みんなすぐに(レブロンを)応援するようになるさ」